世の中には偉人賢人と称えられる人が多数存在していますが、勇者と称えられる人々の中に「タコを初めて食べた人」が含まれる、と言っても決して過言ではありません。
一体どういう成り行きでタコを食べる羽目になったのか。
何かの罰ゲームが発端だったのか……いずれにしろ、「タコを初めて食べた勇者」のおかげで、現在の我々の「タコ食文化」が築かれたわけですから、その人にはいくら感謝しても足りませんよね。
タコは日本では古くから食べられてきました。
弥生時代の遺跡からはタコツボ形の土器が出土しており、平安時代にはタコ料理(タコを使った干物やなれ寿司)について記述された「延喜式」という文献があります。
江戸時代には、武士の食卓に普通にタコ料理が載せられていたようです。
WORLD OCTOPUS DAY (世界タコの日)とされる 10月8日はタコの日です。
英語で10月はOctober。
ラテン語で「第8の」という意味が「octo」なので、それに由来してつけられたものです。
10番目の月(10月)なのに、「なんで?」と思われるでしょうが、紀元前46年まで使用されていたローマ暦では年始が3月なので、そこから数えると第8番目の月になるから、だそうですよ。
第8番目の月の第8番目の日が10月8日。
非常にわかりやすい「タコ記念日」ですね。
8本足がタコの定番ですが、外敵に襲われた時に足(触腕)を切り離して逃亡することが可能で、切り離した部位に新たな触腕が生えてきます。
必ずしも1本だけ生えてくるわけではなく、場合によっては2本生えてくることもあり、実は8本以上の足(触腕)を持っているタコもいます。
驚くべきは96本足(触腕)のタコが捕獲されたこともあるそうです。
海外の国(特にイギリス)では「デビルフィッシュ」と呼ばれて忌み嫌われているタコですが、これには理由があります。
キリスト教の原点であるユダヤ教の戒律で「ヒレやウロコがある魚しか食べてはいけない」とされており、タコは全く該当しないので「デビルフィッシュ」という悪名が付けられたといわれます。
タコは比較的知能の高い軟体動物で、全身の90%が筋肉。
直径2.5cmの丸い隙間を通ることができるタコもいます。
タコの心臓は3つあり、血は青く、ほぼ全てのタコが毒を持っていますが、人間には無害です。
但し、ヒョウモンダコの毒だけは、人間にも有毒なテトロドトキシンという猛毒。
解毒することはできません。
ことわざに「土用の蛸(タコ)は親にも食わすな」、人気者の喩えに「引っ張りダコ」なんていうのがありますが、生活圏で一番身近なタコは「タコ足配線」ではないでしょうか。
食材データ
種類:頭足類
旬の季節:秋~冬
主な効能
強心、強肝作用
血栓症予防
強壮、強精作用
貧血の改善
栄養成分
タコは八腕形上目のタコ目に分類される軟体動物。
世界中でおよそ250種類が知られ、日本近海ではおよそ60種類が確認されていますが、食用とされるのはその中の5~10種類ほど。
我々の食卓に上るのは、マダコ、ミズダコ、イイダコが親しみのある食材として知られています。
前述した通り、「Oct」はラテン語で「第8の(8本の)」、「Pus(pous)」は「足」の意味。
その名もズバリ、「タコ(octopus)=8本足」というわけですね。
江戸末期の文献「私語私臆鈔」には「タコは多股からきている」と記述されています。
また、「和名抄」では「海蛸子(かいしょうし)」と記述され、「タコ」を「蛸」と書くのは、「蛸」が本来はクモを表す言葉なので、「海に棲むクモ」という意味で「海蛸子」としたのだといいます。
時を経て略字になり、「蛸」の一文字で「タコ」を表すことになったそうです。
海外といい、日本といい、タコの名前の由来がその異形なる多数の足からきていることが面白い一致と言えましょう。
頭に見える丸い部分はタコの胴体で、内臓などの器官が詰まっています。
実際の頭は、目や口器の部分で、頭から直かに足(触腕)が生えています。
タコに代表されるこれらの仲間を「頭足類」と呼びます。
低脂肪且つ低カロリーでありながらも良質のタンパク質を含みます。
タコに含まれているビタミンB1には疲労回復効果がありますし、皮膚や粘膜を健やかに保つビタミンB2が口内炎を改善し、生活習慣病を予防します。
豊富に含まれるが貧血を予防し、快適な眠りへと誘います。
滋養強壮に役立つ亜鉛や、骨には欠かせないカルシウムなどのミネラル分を多く含み、更には、肝機能を強化し、コレステロール値を下げ、動脈硬化や高血圧を防ぐとされるタウリンが100g中約520㎎と豊富です。
タコの卵巣は「海藤草」と呼ばれ、煮付けにして食べると美味だそう。
タコを茹でると赤くなるのは、加熱によってタンパク質が変質し、アミノ酸の一種であるオンモクロームという色素化合物が表れてくるからです。
特徴
生タコは、吸盤の吸いつきが良く、弾力のあるものを選びましょう。
新鮮なタコにはそばかす状の斑点が見られます。
茹でダコは鮮明な小豆色で、しっかりとした弾力と艶がある体表面のタコを選びましょう。
体表面が粘っていたり、茹でた皮が剥げ落ちているタコは避けましょう。
タコにはアレルギーを引き起こすタンパク質が含まれており、タコを食べているときに唇の周りが痒くなる、喉が痛い、口内が腫れるなどの症状が出たら食べるのは控え、病院で調べてもらいましょう。
タコは消化するのに時間がかかるので、胃腸が弱い人は食べ過ぎに気をつけましょう。
種類
中国、モロッコ、メキシコ、モーリタニア、韓国、スペイン、ポルトガルなどで水揚げされます。
日本では、北海道、兵庫県、香川県などです。
食べられるタコの種類では、マダコ、ミズダコ、イイダコの名前が挙がります。
レシピ
タコ焼き
焼き方が難しい。
うまく頃合いを見て丸めれば、外はカリカリ、中はとろっとろで熱々の美味しいタコ焼きができあがる。
トッピングは、ソースにマヨネーズ、青のり、鰹節、紅ショウガが定番。
具にキャベツを加えたり、タコ焼きをポン酢やスープに浸けて食べる地域もある。
一口で食べると口の中を火傷するので、2本のクシを使って上手に食べるのがコツだとか。
タコ飯
タコをご飯に混ぜた郷土料理。駅弁にもなっている。
土鍋や圧力鍋でも調理ができる。ご飯の味付けに麺つゆを使うほか、極力簡単に作りたい人向けは「たこめしの素」を使うと良い。
タコは冷えると硬くなるので、できれば熱々のうちに食べたい。
タコ【蛸】 タウリンが肝機能を強化、ナイアシンが血行促進に効く まとめ
海外では「デビルフィッシュ」として忌み嫌われるタコですが、日本の食文化には欠かせない食材です。
低脂肪で低カロリーでありながらも、良質なタンパク質を含み、肝臓の健康を保ちたい方や、コレステロール値が気になる方などにお勧めです。
但し、タコにアレルギー反応を起こす方は食べるのを控えましょう。
消化吸収率は高いですが、消化に時間がかかるため、胃腸の弱い方は過食に注意しましょう。