大麻栽培

大麻と聞くと、何か後ろ暗い印象がありますね。
日本では、栽培するだけでも大事に発展してしまいますが、すべてのケースに当てはまるわけではありません。
非合法の品として扱われる大麻のほかに、産業用としての使い道もあるからです。

しかし、産業用といえども、免許も持っていなければNG!自宅でも栽培できるのか、大麻取扱者免許についてチェックしてみましょう

 

意外と長い日本と大麻の歴史

しめ縄日本では、紀元前から麻の栽培が行われてきました。
着物などの伝統文様として「麻の葉文様」が残っているように、庶民の生活に密着し、邪気を祓う魔除けの効果があるとも信じられてきました。

麻の繊維を使用した衣類も、昔から馴染み深いものですよね。
服のタグに「ヘンプ」という表示を見つけたら、大麻草の産業用繊維であることを意味します。
当然ですが、衣類の繊維に中毒性などはありません。
非合法の大麻とは、生成方法が異なるためです。

また、食用としては七味唐辛子の原料としての「麻の実」、医療用としては大麻から抽出されるカンナビノイドという生理活性物質が重宝されています。
現状では、産業用の大麻は輸入品がほとんどですが、一部地域では、大麻栽培者免許を取得した業者のもとで栽培が行われています。

大麻取扱者免許は「栽培者免許」や「研究者免許」など用途によってわかれています。

北海道の北見市は、地域を活性させるための事業として、産業大麻の栽培に着手していることで有名です。
また、栃木県の鹿沼は、500年以上もの栽培の歴史を持つ、由緒ある地域です。
江戸時代の麻の着物は、栃木県にお世話になっていたのかもしれませんね。

 

大麻取扱者免許の取得方法

自宅での大麻取扱免許の取得を考えるなら、次のプロセスを念頭に入れておかなければいけません。

  • 栽培用の農地が必要
  • 栽培目的の明示
  • 大麻取扱者免許の申請用紙の提出
  • 行政からの審査を受ける

農地を確保する

大麻栽培自宅で栽培すると言っても、プランターで育てるわけにはいきません。
きちんとした農地を確保し、栽培の体制を整える必要があります。
しかし、農地は農業に従事している人からしか購入することはできません。
農地の購入での最大のネックは、「大麻を栽培したい」という理由を聞いて、売ってくれる農家が存在するかどうかによります。
産業用であるということを納得してもらわなければいけませんが、現代の日本では、「大麻」という言葉のイメージが悪すぎます。

販売先と目的

大麻農地という条件をクリアした後は、栽培目的を明示して、申請用紙を作成することです。
申請用紙には、「申請の目的・栽培者の姓名・栽培場所と面積」を記入しておく必要があります。
大麻の実と繊維のどちらをメインとして利用するのか、どのような相手に販売するのか、取引先の企業などの予定はあるのかをハッキリさせておかなければいけません。
免許の交付には、栽培した大麻を「販売しない」という選択肢は存在しないのです。

申請用紙を提出

栽培目的や販売先の問題をクリアしたら、いよいよ大麻取扱者免許の申請用紙を行政当局に提出します。
しかし、提出もスムーズにいくわけではありません。
免許の申請には、医師の診断書も求められるからです。
さらに、販売先の法人登記簿といった証明書や、法律違反をしないという旨の誓約書なども併せて提出する必要があります。

大麻取扱者免許申請書

免許取得の審査

大麻研究者免許申請用紙や書類の提出が無事にすむと、いよいよ行政当局からの審査を受けることになります。
その過程で、農地の視察や、栽培場所の設備の条件づけなどがされるかもしれません。
管理体制がずさんだと、盗難や薬物としての乱用といった問題が生じる可能性があるからです。
審査がスムーズに進むと、1ヶ月ほどで免許が交付されることになります。

もちろん、申請が却下される可能性も大いにあります。
北海道の北見市のように、市をあげての申請であればともかく、個人としての申請は、あまり前例がないと考えられます。
産業用の栽培として携わっている農家も、年々減少の傾向にあり、50年前には25,000人ほどいた農家も、その後100人以下にまで落ち込んでしまいました。
新たな申請者は、それほどレアだということになりますね。

 

自宅での栽培は難しい

さまざまなプロセスが必要な、大麻取扱者免許の取得ですが、大きな労力を必要とするわりには交付は難しいと考えられます。

しかし、ここ数年の流れとして、南米のウルグアイが世界初の取り組みで、大麻の栽培や販売、消費を完全に合法化しています。
先進7カ国(G7)のひとつであるカナダも、合法化に踏み切ったのは記憶に新しいですね。
犯罪組織への資金源を断絶し、大麻の栽培や販売、消費に関して秩序をもたらすことができると判斷したためだと言われています。

将来的に、世界の多くの国々で合法化が進めば、日本においても自宅での栽培は簡単になるかもしれません。
数年後、数十年後の未来に期待しましょう。

 

大麻取扱者免許の取得方法|自宅でも栽培できるのか まとめ

産業用や医療用として、大きな需要があるにも関わらず、栽培の申請は難しいのが現状です。
カナダのような先進国が、合法化に乗り出した現在、日本での合法化もあり得るのかもしれません。
ただし、一朝一夕で可決される問題ではないので、現時点では自宅での栽培は難しいという事実は変わりません。

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