車内の温度を下げるとき、あなたはどうしますか?
今年は豪雨の後に京都市で39.8度の最高気温を記録するなど、広い範囲で35度以上の猛暑日が続いています。
祇園祭が行われている京都市を例に挙げてみると、昭和55年に統計を取り始めて以来、観測記録1位という暑さです。
この猛暑では熱中症と思われる症状で2605人が救急搬送され、7県で10人が死亡しています。
こんな暑さの中、車の中は50度以上の高温になりますから熱中症には気をつけなければなりません。
車内温度を下げる方法
50度以上になった車内温度を下げるにはドアの開閉や窓の開放をしている方も多いでしょう。
車内の高温になった空気を外へ出し、窓を開けたまま走行することで温度は下がります。
またエアコンをかける場合も外気を入れる方法と入れない方法があります。
外気を入れて循環させる方法が早いのか、内気循環だけで空気を冷やすほうが早いのか試してみた方はいるでしょうか。
最近では車用の冷却スプレーも販売されており、瞬間冷却とまではいかないものの車内温度を少しでも早く下げる方法として利用されています。
最速で下げるには
色々な方法を試してみたけど、どの方法がよいのかハッキリとした結果はわからないですよね。
そこで、JAF(日本自動車連盟)が車内温度を下げる方法の検証をしているのでご紹介します。
この結果をみると効果的な方法がわかりますね。
実験方法は、同じ車種の5台を用意し、車内温度が55度になったところでそれぞれ違った方法を検証しました。
方法 1 ドア開閉
助手席の窓だけを開けて運転席のドアを5回開閉することで車内の熱気を押し出す方法。
運転席のドアを開閉したときの気圧を利用するごく単純な方法ですばやくできるのが利点です。
この方法では約30秒で7.5℃くらい車内温度が下がり、47.5度を記録。
短時間では最速です。
たったの30秒でできるということで評価はできますが、ドアの開閉の騒音や故障の原因となることを考えるとおすすめはできません。
また、狭い駐車場ではできないこともあります。
方法 2 エアコン+外気導入
車の窓は一切開けず、エアコンを最低温度、そして外気導入に設定する。
この方法はみなさんが一番よく行う方法だと思います。
その後、10分間の温度変化を測定したが、30度を下回るには9分かかり、10分後の温度は29.5度と時間がかかるわりに効果がないことがわかりました。
方法 3 エアコン+内気循環
これも車の窓は一切開けず、エアコンを最低温度に設定して内気循環だけで空気を冷やすというもの。
外気を導入するよりも内気だけを冷やし続けたほうが効果は高い。
30度を下回るのに7分、10分後には27.5度と好成績だが、やはり7~10分はつらいですね。
方法 4 冷却スプレー
冷却スプレーを高温になったシートに10秒ほど吹きかけ、3分間の温度変化を測定する。
3分後の車内温度は50.1度と効果的だとはいえない結果となった。
冷却スプレーは可燃性ガスが使用されているので、換気が不十分で高温になった車内での冷却スプレーの使用には注意が必要です。
方法 5 エアコン+走行
窓を全て開け、エアコンを最低温度、外気導入に設定してそのまま走行する方法です。
最初は外気温度よりも車内温度の方が高いので外気導入することで、およそ1分半で30度を下回りました。
その後、窓を全て閉めてエアコンを内気循環にして一気に車内温度を冷やすと開始から5分後には28.0度まで下がりました。
この方法が時間、温度ともに一番効率の良い結果がでました。
車内温度を最速で下げる方法 まとめ
車の温度を効果的に下げるには「エアコン+走行」で決まりですね。
暑い車内で我慢しながらエアコンで冷えるのを待っていると熱中症になりかねません。
熱中症は最悪、内臓が痙攣して死ぬこともある危険な症状です。
まだまだ暑い夏は続きますのでくれぐれも注意してくださいね。