夏休み。
田舎のお祖母ちゃん家の縁側でスイカを食べて種飛ばし競争。
暑い海辺でスイカ割り。
こういった夏の風物詩とも言えるスイカは、南アフリカのカラハリ地域が原産のウリ科のつる性一年草、及びその果実のことを指します。
約4000年前のエジプトでは既に栽培されていたとされ、アフリカ・インドから東南アジアを経て、11世紀頃の中国に伝わり、日本には17世紀前半に伝わったとされますが、1140年頃の「伝鳥羽僧正作:鳥獣戯画」にスイカを持った兎が描かれているので、或いはもっと古い時代には既に伝わっていたのかもしれません。
「中国の西方から伝わってきた瓜」の意から、「西瓜」という名称になりました。
あの特徴的な縦縞模様の品種が広まったのは昭和初期頃とされています。
それまでの品種は「鉄かぶと」と呼ばれる黒い色のスイカだったそうです。
果肉のほとんどが水分で占められ、カロリーの低い野菜(または果物)です。
野生のスイカは、砂漠に暮らす動物達が水分を補給できる貴重な供給源となっています。
甘くて美味しいスイカを更に甘く美味しくするために、塩を振りかけて食べる人もいるでしょう。
僅かに塩をかけて食べることでスイカの甘味が強調されるこの現象は、「味の対比効果」と呼ばれています。
塩のしょっぱさを先に感じることで、スイカの甘味が一層引き立つのです。
塩の量はほんの少々で十分です。
あまりかけすぎると、しょっぱさだけが際立つことになります。
スイカは凶器にも成り得る? ……「馬鹿馬鹿しい!」と一笑に付すべきではないかもしれません。
というのも、スイカの収穫直前に大雨が降るなどの理由で内部が腐敗し、中に生じたガスで内圧が高まり、スイカが爆発することもあるからです。
体験者談として「家族旅行で数日家を空けて戻ってみたら、部屋中がスイカまみれだった!」とか、「炎天下に晒されていた産直販売のスイカを購入したら、ボンッ!という音と共にスイカが真っ二つに割れた!」という話も聞かれます。
また、中国では、2011年5月に収穫直前のスイカ1000個以上が次々と爆発しました。
成長促進剤の過剰投入の影響だと考えられています。
食材データ
種類:果物類
旬の季節:夏
主な効能
むくみ、高血圧の改善
心臓病、腎臓病の予防
栄養成分
スイカは、江戸時代の「農業全書(1696年)」や「本草図鑑(1828年)」に「渇きを止め、暑を消し、酒を解し、能く小水を利す」と記述されており、喉の渇きや利尿作用などの症状に効果的であることがわかっていたようです。
特にビタミンAとビタミンCの成分が高いです。
ビタミンAは、粘膜や皮膚の健康維持に働き、動脈硬化を予防します。
ビタミンCは、抗酸化作用により、美肌効果や病気や老化の予防に働きかけます。
ミネラルでは、体内の余分なナトリウムを排泄するカリウムを多く含み、その利尿作用により、むくみの改善や腎臓病の予防や暑気払い(夏バテ)に効果的と考えられます。
スイカから発見されたアミノ酸「シトルリン」が注目されていますが含有量は低く、効果はまだ未知数です。
暑気払いにも効果的なスイカには、体の熱を冷ます作用があります。
漢方で言うところの「陰性食品」にあたります。
赤い身は、「利尿して身体の熱を冷まし、喉の渇きを潤す」とされ、「天然の白虎湯」とも呼ばれます。
果実を西瓜(セイカ)、果皮を西瓜皮(セイカヒ)、種子を西瓜仁(セイカニン)と呼び、それぞれに利尿作用があるので、急性腎炎や慢性腎炎、膀胱炎や水腫などに用いられます。
90%以上が水分のスイカですが、ビタミンA、ビタミンCを始め、ビタミンB1、ビタミンB2などのビタミン群、抗酸化作用のあるリコピンなどが含まれており、夏場の水分補給と共に、利尿作用効果もあります。
スイカを食べることで老廃物を体外に効果的に排出できますし、むくみを防いで体調も整います。
ビタミンCも豊富ですので、美肌効果も期待できます。
特徴
スイカを叩くと、甘いかどうかわかると言います。
中が空洞だったり、未熟なスイカは「パンパン」と高めの音。
熟し過ぎのスイカは「ボンボン」と低い音。
弾力がある「ポンポン」という心地良い音がしたら、甘くて美味しいスイカの目安です。
……というものの、スイカを叩いて回るのは、お店にとっても他のお客さんにも迷惑です。
甘いスイカを見た目で見分ける方法は、「縞模様の黒がクッキリしている」、「縞模様がうねっている」ということです。
カットされた甘いスイカの見分け方は、前述の縞模様を始め、「赤い部分と皮の白い部分との境界がクッキリしているものが甘い可能性が高い」そうです。
更に、「種が黒くてしっかりと成長しているもの」を選びましょう。
よく冷やしてから食べると、美味しさ倍増です。
スイカの皮も漬物、酢の物、煮物などに使用できます。
アジアでは、スイカの種を炒って中身を食べることが多いです。
酒のつまみや菓子に使われています。
スイカを食べると唇や口腔内がチクチクして痒くなったり、水膨れ状に腫れたりする「口腔アレルギー症候群」の方がいます。
耳鼻咽喉科専門医によると、花粉症と関係があるそうです。
5~10月のイネ科花粉症の方、8~11月ブタクサ・ヨモギ花粉症の方、カバノキ科のシラカバ花粉症の方は、スイカによる口腔アレルギー症候群を起こすことがあるそうです。
種類
中国、トルコ、イラン、ブラジル、エジプト、アメリカなどで生産されています。
国内生産地では、熊本県、千葉県、山形県、新潟県、鳥取県、長野県、茨城県などが挙げられます。
「縞王マックス」、「ファィンエース」、「甘泉」、「富士光」、「日章」、「天竜2号」、「紅大」、「金時」、「紅小玉」などの品種があります。
レシピ
スイカジュース
スイカの搾り汁には、漢方薬「白虎湯(喉の渇きが強い病気に処方される)」に似た効果がある。
高血圧や熱性の咳、高熱による渇きにスイカの搾り汁を飲めば、症状が緩和されるそう。
スイカのアイス
食べ切れなかったスイカを美味しいアイスに。
フリーザーバッグにスイカを入れて凍らせて揉むだけで、シャリシャリ食感の美味しいスイカアイスの出来上がり。
お子様のおやつにもお勧め。
スイカ【西瓜】 カリウムを多く含み、利尿作用や暑気払いに効く まとめ
90%以上が水分を占めるスイカですが、ビタミンA、ビタミンCが豊富で、更に抗酸化作用のあるリコピン量も豊富です。
暑気払いや夏バテに効きますし、カリウムの利尿効果により、体内の余分な塩分を排出します。
むくみや腎臓病の予防にお勧めの食材です。