塩は、ナトリウムと塩素が結合した「塩化ナトリウム」を主成分としています。
食塩という形で体に摂り込まれますが、その時に体に影響を及ぼすのは「ナトリウムの量」です。
海水の乾燥や岩塩の採掘等の方法により、塩の生産が可能です。
日本神道において、塩は穢れを祓い清める力を持つとされ、「祭壇に塩を供える」、「神道行事で使用する」等の風習があります。
また、日常生活においても、「厄除けや魔除けのため、店の前や玄関先に盛り塩をする」、「家に嫌な客が来て帰った後、盛大に塩を撒く」などの様々な習慣から見ても、「塩が穢れを祓う」とする解釈が、庶民生活にも広く根強く現れているものです。
大相撲においては、力士が土俵に塩を撒く風習があります。
昔は、神社における祭りの行事として相撲が行なわれており、豊穣を占う大切な神事でした。
神事がゆえに「清めの塩」が土俵に撒かれていた風習が、今でも脈々と受け継がれているわけです。
因みに、塩は1日およそ45kg以上、一場所(15日間)でおよそ650kg以上用意されているそうです。
塩にはこんな逸話があります。
或る日、徳川家康が「この世で一番旨いものは何か?」と寵愛する側室に訊ねたそうです。
側室は「それは塩です。塩の味付け次第で山海の料理が美味しくなります。ですが、塩味が過ぎればどんな美味しい物でも不味くて食べられなくなります」と答えました。
「一番旨くて不味いものは塩」という才気煥発の返答に、そこに居合わせた一同、感嘆したそうです。
控えめで慎み深く可愛らしく見えることを「しおらしい」と表現します。
出陣する武士たちが持つ塩包みに目をつけて言い寄ってくる百姓の女たちの態度が、いかにも恥ずかしそうな様子だったことから転じた言葉です。
その時代、塩を手に入れることは容易ではなく、塩欲しさに武士たちに言い寄るものの、その手の商売ではなく「ずぶの素人」と直ぐにバレてしまい、それを武士たちが察し「ああ。この娘達は、この塩が欲しいらしい」が転じて「しおらしい」になったそうです。
「敵に塩を送る」のは、「敵対する相手の窮状を救ってあげること」です。
戦国時代の武将「上杉謙信」が、塩が無くなって困っていた「武田信玄」に塩を送り信玄軍を助けたという有名な逸話から来ています。
食材データ
種類:調味料
旬の季節:年中
主な効能
気力、体力を養う
長寿の源
※効能は栄養成分などから一般的に効果があると考えられているものを記載しています。効果を保証するものではありません。
また実際にこれらの症状がある方はまず医師に相談してください。
栄養成分
塩は、旧石器時代より存在する最古の調味料とも言えるでしょう。
不思議なことに、海水の成分と人間の血液の成分は酷似しているのです。
食塩の成分であるナトリウムは、人間にとって必要不可欠なミネラルです。
成人の体内の骨や水分中に約100g存在しています。
調味料等の多くの食品にナトリウムが含まれているので、通常は不足する心配はありません。
ですが、何かのきっかけ(高温・多湿の環境下での作業、スポーツ等)で大量の汗をかいた時や、体調悪化により激しい下痢症状を引き起こした場合などには大量のナトリウムが失われます。
ナトリウムが欠乏すると、倦怠感や疲労感、食欲不振、悪心などの症状が出ます。
その場合、スポーツドリンク等でこまめに補給することが必要になります。
昔は東北地方の人々は塩辛い味付けを好んだそうです。
豪雪に閉ざされる環境下での保存食目的でもあり、塩分を食べることで体温が上げ、冷えた体を温めることを目的にしたからでしょう。
ナトリウムは細胞機能の維持に欠かせないミネラルです。
筋肉や神経を正常に維持するのに役立ちます。
体内で不足すると細胞機能に悪影響を及ぼしますが、普通に生活している分には食事から(調味料、味噌、醤油等)十分な量を摂取しているので不足することはほとんどありません。
むしろ、過剰摂取に注意すべきであり、「薄味の食事を摂る」、「規則正しく運動する」等により、余分な塩分を体内に残さないことを心がけましょう。
なお、「天然」、「無添加」、「ミネラル」等の表記がされていても特に違いはありません。
特徴
調味料として使うほか、野菜や魚の塩漬け等の保存目的(雑菌が繁殖する水分が少なくなり、腐敗菌が抑制される)で使用されます。
小麦粉に塩水を加えてこねることでタンパク質のグルテンができやすくなり、パンを膨らませる、うどんにコシを出すことなどに役立ちます。
水処理設備の一種のイオン交換樹脂の再生にも利用されます。
融氷雪用に使用されます。
スイカやお汁粉等の「甘いもの」に塩を少量加えることで、より甘味を強く感じさせる「対比効果」があります。
酢の物等の「酸っぱいもの」に塩を加えることで酸味を抑える「抑制効果」を持ちます。
塩は吸湿しやすいため、保管する際は専用の塩入れ容器で保管しましょう。
種類
中国、アメリカ、インド、ドイツ、カナダ、オーストラリア等で生産されます。
輸入先は、メキシコ、オーストラリア等です。
塩は、「岩塩」、「海塩(天日塩等)」、「海水」、「湖塩」の4つの原材料から作ることができます。
レシピ
白菜の塩漬け
白菜を塩で漬け込んだ漬物。旨味や風味を出すため、塩昆布や柚子等を使うこともある。
塩分濃度が濃いほど保存が効く。
ご飯のお供にするほか、炒飯の具材に使う手もある。
塩飴
程よい甘さと塩の旨味がマッチする。
大量の汗をかく夏場の塩分補給にうってつけ。
塩 人にとって必要不可欠なミネラル。過剰摂取にはくれぐれも注意 まとめ
塩は、人間にとって必要不可欠なミネラルです。
普段の生活では不足することは滅多にありませんが、高温多湿の環境下での作業、夏場での激しいスポーツ等で、塩に含まれているナトリウムが大量に失われてしまうと、倦怠感や疲労感、食欲不振、悪心、筋肉痛などの悪影響が出ます。
適度にスポーツドリンク等で塩分を補いましょう。
また、過剰摂取にも十分注意しましょう。