タバコの煙を緩やかに立ちのぼらせることを燻らせるといいます。
タバコを燻らせるよくある光景として、酒を飲みながら、読書をしながら、現代ではパソコンをしながらなど色々あることでしょう。
その中でも、巷で見かけるのが酒を飲みながらタバコをくゆらせる人です。
酒好きは、タバコ好き。
タバコ好きは、酒好き。
タバコと酒のどちらが最初かはともかく、酒とタバコはセットである印象は比較的強いのではないでしょうか。
しかし、なぜ酒とタバコってセットなんでしょうか。
酒を飲むとタバコを吸いたくなる?
タバコを吸うと酒を飲みたくなるの?
このタバコと酒がセットになっている理由を解明した研究科がいました。
ニコチンを摂取することでアルコールに対する興味が高まる
アメリカ合衆国テキサス州ベイラー医科大学の研究チームは、ラットを使ってニコチンとアルコールに対するラットの反応を研究しました。
研究チームはまず、ラットにニコチンを与えました。
人間に於いてニコチンが体から完全に消えるのは、48~72時間後といわれていますが、ラットの比重から考えると15時間後には、ラットの体から完全にニコチンが抜けた状態といえるでしょう。
このラットがニコチンを摂取し、それが抜けた状態で、ラットのアルコールに対する興味が通常よりも高まっていることが判明したのです。
これは、ラットにニコチンを与えることで、長期的にアルコールに対する興味が高まるということが示されたということです。
この結果は、私たち人間にも飲酒と喫煙の関係への興味をさらに高める結果となりました。
飲酒について詳しくは「覚えておきたい飲酒の豆知識20選」をご覧ください。
ニコチンは快楽に対する反応を鈍らせる
ニコチンを摂取するとアルコールへの欲求が高まる背景には、ニコチンとアルコールの両物質が脳に与える影響があることがわかりました。
人は、アルコールを摂取すると、脳内にドーパミンが放出されて快楽を感じます。
「お酒を飲んで嫌なことを忘れる」「ビールが世界中で愛されている理由」の記事を読んでいただいた方には解ると思いますが、ドーパミンは、楽しい行動をとった時に分泌される神経伝達物質のことで、快楽物質と呼ばれています。
このドーパミンが脳内に分泌されることにより快楽を感じるのですが、同時にアルコールは快楽に対する反応を鈍くするという働きもあります。
つまり、快楽に対する免疫がついてしまうことで、以前にアルコールを飲んだときに感じた快楽レベルに達するためには、さらに多くのアルコールを摂取しなければならなくなるということです。
これが、飲酒によりさらにお酒を求めてしまうメカニズムとされていますが、今回の研究結果によるとニコチンはこの快楽に対する反応をさらに鈍くする作用を持つというのです。
ということは、アルコールと同時にニコチンを摂取すると、以前体験した快楽レベルに達するためには、さらにアルコールを必要としてしまうということなのです。
これにより飲酒時に喫煙するとついつい深酒をしてしまうといったことになるのです。
未成年でタバコを吸い始めるとアルコール依存症になりやすい
今回の研究結果でわかるようにニコチンを摂取するとより多くのアルコールを求めることとなり、こういった負のループにはまってしまうと「アルコール依存症の若年化が社会問題に!」の記事で書かせていただいたアルコール依存状態に陥ってしまいます。
また、「思春期の飲酒は脳に影響を与える」で書いたアルコールによる脳への影響と同じように未成年で喫煙を始めると、潜在意識の記憶からアルコール依存症になる確率が高くなるというのです。
潜在意識の記憶については「お酒を飲んで嫌なことを忘れる」という記事で紹介しています。
喫煙と飲酒の関係 まとめ
飲酒も喫煙も自分ではわからないうちに精神疾患による依存状態に陥ってしまうという非常に恐ろしいものなのです。
お酒には、よい面もありますが、摂取量が増えると飲酒や喫煙は、健康を害するものになってしまうということを理解し、節度を守って楽しみたいものです。
音楽のない場所でお酒を飲めばセーブできるそうですよ。
→音楽で変わる味覚と飲酒量! ~酒の味は味覚ではなく精神で味わう~ 甘味を増す効果のあるBGMを消せば飲みすぎない