リンゴはバラ科リンゴ属の果実で、実は丸っこく、爽やかで甘酸っぱい味がします。
原産地は、カザフスタン南部や中国などの中央アジア山岳地帯などといわれています。
リンゴは約4000年前には既に栽培されており、その後、16世紀~17世紀にかけてヨーロッパ中部以北で盛んに栽培されました。
17世紀前半にヨーロッパからの移民によってアメリカに伝来して以降、世界各地で栽培される品種の大半はアメリカ由来のリンゴとなっています。
日本では、リンゴは仏前の供え物として多用されました。
戦国大名「浅井長政」が、領内の寺からリンゴを贈られた際の御礼状が現存するそうです。
リンゴは、西洋の聖書や童話や神話の中にも登場します。
旧約聖書の登場人物「アダムとイヴ」。
蛇にそそのかされて食べた禁断の果実はリンゴだったとされています(諸説あり)。
慌てて飲み込もうとしたアダムが喉につかえさせ、そのリンゴは喉仏になりました。
男性の喉仏は「アダムのリンゴ」とも呼ばれるそうです。
毒リンゴが出てくるのは「白雪姫」の童話。
白雪姫の美しさを妬んだ魔女(白雪姫の継母。元は実母として書かれている)が、白雪姫にたっぷりと毒をつけたリンゴを手渡すシーンが目に浮かぶことでしょう。
ギリシャ神話には「黄金のリンゴ」を巡って三人の女神たちが争う「パリスの審判」という神話があります。
赤いリンゴでも十分健康効果があるのですから、更に黄金のリンゴとなれば……どれだけの健康効果があるのか是非知りたいところですね。
ウェールズ由来の英語のことわざに、「一日一個のリンゴ、医者知らず」というのがあります。
毎日食べても飽きないほど、リンゴが西洋の人々にとって親しまれ、愛されている健康パワー満載の果物ということにほかなりません。
食材データ
種類:果物類
旬の季節:秋~春
主な効能
高血圧
ガンの予防、改善、
便秘
気管支炎の改善
コレステロール低下作用
栄養成分
リンゴにはビタミンA、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12及びニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、葉酸、コリン、イノシトール等の総称)、ビタミンCなどのビタミン類、果糖、酵素、有機酸(リンゴ酸、クエン酸、酒石酸)、カリウムを始めとする様々なミネラル成分がバランスよく含まれています。
ミネラル成分では銅とカリウムの含有量が多いです。
銅は、貧血予防効果や免疫力アップ、髪や肌の健康維持などに働きます。
カリウムは、ナトリウムの排出を促し、高血圧予防やむくみの予防・改善などに役立ちます。
リンゴに含まれる食物繊維の一種であるペクチンがコレステロール値を下げ、便秘や下痢を解消します。
オリゴ糖が腸内の善玉菌の餌になり、腸内環境を穏やかに整えてくれます。
リンゴポリフェノールは強い抗酸化力を持つポリフェノールの一種で、特にリンゴの皮に多く含まれています。
リンゴを皮ごと食べる方が効果的ですが、ワックスが付着している場合もあるので、よく洗って拭いてから食べましょう。
体内の不要な活性酸素を除去し、老化や病気から守ってくれる効果のほか、疲労予防、美肌に導く力や口臭予防などの様々な嬉しい効果ももたらしてくれます。
強い抗酸化力を持つがゆえに、ガン予防や炎症の早期治癒、アレルギー改善などにも効果が期待できます。
「リンゴ農家など、毎日のようにリンゴを食べる人々は高血圧発生率が少ない」や、「リンゴ抽出成分により、ラット肝ガン細胞に対して増殖抑制がなされた」という研究データもあるほどです。
リンゴ酸は爽快感のある酸味を持っており、食品添加物にも利用されています。
また、アメリカではサプリメントとしても利用されています。
特徴
夏の終わりから秋にかけてが、リンゴの旬です。
リンゴの皮と果実の間には、ペクチンやビタミンCなどが多く含まれています。
甘味と酸味が強い果実です。
リンゴの果実は空気に触れると変色します。
塩水にさらすか、レモン汁にさらすことで変色を防げます。
生のまま食べるほか、リンゴジュースやアップルパイ、リンゴジャム、焼きリンゴ、リンゴ酒(シードルなど)、リンゴ酢などに加工して利用します。
購入の際は、軸が太く果皮にハリと艶があるものを選びましょう。
果皮に傷があっても、色がまだらであっても、糖度に影響はないです。
保存する際は、水分の蒸発を防ぐためビニール袋などに入れて密封し、冷蔵庫などで保存しましょう。
なるべく早く食べ切るのが良いでしょう。
強い抗酸化作用を持つリンゴポリフェノールがアレルギーに効く、とされますが、シラカバ花粉症の人は、リンゴなどのバラ科の果物を食べると喉や舌にアレルギー症状を引き起こすことがありますので気をつけてください。
種類
中国、アメリカ、トルコ、ポーランド、インドなどで生産されています。
国内では青森県、長野県、山形県、岩手県、秋田県、北海道などです。
リンゴは7500以上の品種が栽培されており、暑さに弱いので熱帯での栽培は難しいです。
ふじ、サンふじ、紅玉、千秋、シナノスイート、秋映、姫リンゴなどの種類があります。
レシピ
リンゴのコンポート
シロップやワインで煮たリンゴ。
ジャムよりも糖度が低く、そのまま食べるほか、アイスクリームやゼリーに添えたり、ケーキの具材に使われる。
食べ切れずに残ったリンゴをコンポートにして保存すれば、冷蔵庫で一週間ほど持つ。
アップルパイ
市販の冷凍パイ生地を利用すれば手軽に時短でできる。
カスタードクリームや生クリームをかけたり、バニラアイスを添えたりなどバリエーションは様々。
リンゴを大きめに切って入れると、食べたときに嬉しい満足感を味わえる。
リンゴ【林檎】 一日一個で医者要らず? 健康パワー満載の果物 まとめ
西洋の聖書や童話や神話の中にも登場するリンゴ。
「一日一個のリンゴ、医者知らず」と言われるほど西洋の人々にとって親しまれ、愛されている健康パワー満載の果物です。
リンゴに含まれる「ペクチン」がコレステロール値を下げて便秘や下痢を解消し、「リンゴポリフェノール」の強力な抗酸化作用が体内の不要活性酸素を除去し、老化や病気から守ってくれます。