パイナップルは、熱帯アメリカ原産のパイナップル科の多年草で、原産地はブラジルです。
果実の形が松かさに似ており、味はリンゴに似ているので「パインアップル」と名付けられた後、やがて「パイナップル」と縮めて呼ばれるようになりました。
15世紀末、コロンブスが西インド諸島を探検した時に発見したパイナップルは、瞬く間に世界へ伝播されました。
日本に伝播されたのは、1845年の江戸時代末期だといわれています。
パイナップルは、フルーツポンチの鮮やかな彩に欠かせません。
甘く濃厚な果汁と独特の酸味は、ポンチに浮かぶリンゴやオレンジなどの存在感を圧倒し、まさに「トロピカルフルーツの王様」の如く君臨します。
但し、中華料理の酢豚におけるパイナップルは賛否が分かれるところで、「酢豚にパイナップルだけは入れて欲しくない」という意見も多いです。
ドイツでは「分厚く切ったハムの上に、これまた分厚くカットしたパイナップル」を、どーんと載せた一品料理が供されることがあります。
ナイフで切る度に、甘くジューシーなパイナップル果汁が滲み出し、少ししょっぱいハムが果汁をどんどん吸って甘くなる……という取り合わせが美味しいのかどうか……日本人の味覚では少し疑問が残るところです。
食材データ
種類:果物類
旬の季節:一年中
主な効能
疲労回復
食欲増進
肉の消化促進
去痰効果
栄養成分
パイナップルは、1502年にポルトガル人がヨーロッパのセントヘレナ島へ持ち込んだのが始まりと言われています。
その後、アフリカ、インドなど全世界の亜熱帯へ広がっていきました。
糖分(ショ糖)を約10~15%と多く含み、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCも豊富です。
ビタミン類は細胞や肌の新陳代謝を促しますし、疲労回復にも役立ちます。
クエン酸やリンゴ酸等の有機酸が胃液の分泌を促進し、食欲増進に働きかけます。
クエン酸は、咳が続いて喉の筋肉に溜まった乳酸を分解する作用もあり、乳酸を分解することで疲労感を軽減します。
パイナップルの果汁にはタンパク質分解酵素「ブロメライン」が含まれており、肉類の消化を促進します。
但し、「ブロメライン」は60℃以上で活性を失います。
肉料理には高温加熱がつきものですから、彩りや味のアクセントの域を出ず、タンパク質分解酵素としての役割は期待できません。
缶詰のパイナップルは封入後、100℃以上の熱湯で加熱殺菌処理されているため、これもタンパク質分解酵素としての役割は期待できません。
パイナップルの未成熟な実や、追熟不十分な実には「シュウ酸カルシウム」が含まれています。
「シュウ酸カルシウム」は針状結晶をしており、大量に食べると口が荒れる、口の中が痛い、などの悪影響が出ます。
「シュウ酸カルシウム」のせいで、喉の腫れ、呼吸困難を引き起こす場合もあります。
更に、タンパク質分解酵素「ブロメライン」の作用により、細胞組織のタンパク質が分解されて出血することもあります。
特徴
パイナップルを選ぶ際は、葉が枯れているものは避け、皮の色が赤みを帯びており、香りが良く、手で持つとずっしりと重みを感じる物が良品です。
手で押すと凹むくらいのものが食べ頃です。
パイナップルは葉を下にして保存しましょう。
切り分けてしまったパイナップルはラップに包み、冷蔵庫で保存してください。
種類
タイ、ブラジル、フィリピン、インドネシアなどが生産地として挙げられます。
日本の市場に出回っている多くがタイ産かフィリピン産であり、沖縄県や石垣島で栽培されているパイナップルは、ほとんどが海外から輸入されたものです。
品種には「スイーズカイエン系」、「クイーン系」、「モーリシャス系」などがあります。
レシピ
フルーツポンチ (フルーツパンチ)
ちょっとしたホームパーティにも見栄えのするレシピ。
夏場の冷たいデザートとしても人気。
サクランボ、イチゴ、キウイフルーツ、ミカンを始めとし、やはりパイナップルを入れねば豪華さに欠ける。
シロップにフルーツ缶の甘いシロップをそのまま使うとカロリーが高くなり過ぎる。
色とりどりの果物は目にも御馳走。
ビタミンCもたっぷりと摂れるので、女性にも嬉しい。
酢豚 (すぶた)
中華料理の酢豚には、肉、野菜と共にパイナップルが加わる。
酢豚の中にパイナップルが必要かどうかは、味的に賛否両論。
前述したように、タンパク質分解酵素である「ブロメライン」は60℃以上で活性を失うので、酢豚に入るパイナップルは、料理の色彩&味としてのアクセントにしか過ぎない。
パイナップル クエン酸が乳酸を分解し、咳で疲れた喉を癒やす まとめ
糖分(ショ糖)は多めで、他にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCも豊富です。
ビタミン類が新陳代謝を促します。
クエン酸やリンゴ酸等の有機酸が食欲増進に働きかけます。
クエン酸の乳酸分解作用で、咳き込んで疲れた喉を癒やします。
パイナップルにはタンパク質分解酵素「ブロメライン」が含まれており、肉類の消化を促進しますが、60℃以上で分解活性を失います。