ピーマンは、ナス科トウガラシ属の野菜で原産地は熱帯アメリカ。
フランス語でトウガラシを意味する「piment(ピーマン)」が名前の由来です。
トウガラシを品種改良し、辛みをなくしたものがピーマンです。
緑色のピーマンは未熟の証し。
ピーマンは完熟すると黄色や赤色、橙色になります。
子供が嫌いな野菜の一つに「ピーマン」が挙げられます。
「苦い」、「青臭い」、「渋い」というのが嫌いな理由ですよね。
味覚には「甘」、「塩」、「旨」、「酸」、「苦」の5つがありますが、「苦」は、「苦い=毒かも? 危険!」と本能的に避ける味覚だといわれます。
更に、子供の味覚は大人の3倍優れており、大人には微かな苦味でも、子供にとってはとんでもなく苦い味なのです。
ディズニー/ピクサー映画「インサイド・ヘッド」の日本語吹き替え版では、アニメーションの一部が日本仕様になっています。
アメリカの子供が嫌いな野菜は「ブロッコリー」が通例ですが、日本語吹き替え版で「ブロッコリーが嫌い」としてしまうと、それを観ている日本の子供にとってはピンと来ない。
それで、ブロッコリーが出てくるシーンを急遽ピーマンに変更することにし、その作業は非常に大がかりなものになったといいます。
でも確かに、ブロッコリーよりピーマンの方がしっくり来ますよね。
食材データ
種類:果菜類
旬の季節:夏
主な効能
発毛促進
夏バテ予防
血管強化
ガン予防
栄養成分
ピーマンは、トウガラシの仲間です。
トウガラシの仲間は、タカノツメなどの「辛味型」と、シシトウガラシやピーマンのような辛味の少ない「甘味型」の2種に分けられます。
旬は夏。
ピーマンには、ビタミンB1やビタミンB2が含まれており、ビタミンA(β-カロテン)やビタミンCも豊富です。
ビタミン豊富なピーマンは体の免疫力を上げてくれますので、夏バテ予防に格好の食材と言えましょう。
また、ピーマンに含まれるビタミンCは熱に強く、調理しても壊れにくいという特徴があります。
毛細血管の強化、血流改善効果、抗アレルギー作用や免疫力アップに働く「ビタミンP(ポリフェノールの一種。ルチン、ヘスペリジン、ケルセチンなどの総称)」が、壊れやすいビタミンCを熱や酸化から守るからです。
但し、ビタミンPは水溶性なので茹ですぎたり、水に長時間さらせば溶け出します。
ビタミンPとビタミンC、また、豊富に含まれる「止血のビタミン」と称されるビタミンKなどの総合作用で、出血性疾患や、傷の早期治癒、アレルギー疾患の予防などに期待できます。
ピーマンサラダとして生で食べれば、より多くのビタミンCを摂ることができます。
また、ピーマンを油で調理すれば、ビタミンA(β-カロテン)の吸収率が上がります。
ピーマンの葉緑素(クロロフィル)は緑色の天然色素で、抗ガン効果やコレステロール値を下げる効果、デトックス効果、貧血予防などに働きかけます。
ピーマンの食物繊維は、腸内環境を整え、不要な老廃物の排泄を促します。
また、ピーマンにはミネラル分であるケイ素が含まれており、爪や毛の発育に効果があるといわれます。
特徴
ピーマンを購入する際は、ヘタの切り口が新鮮で黒ずんでいないものを選びましょう。
ヘタから傷みが始まります。
ピーマンの表面に傷がなく、艶と弾力があるものを選びましょう。
ヘタの形で苦味がわかります。
五角形と六角形のヘタのあるピーマンを比べると、六角形のヘタを持つピーマンの方が苦味は少ないといいます。
ヘタの数の違いは、「栄養をどれだけ貰ったかどうか」の差が表れているのです。
ヘタが六角形のピーマンの方が、時間をかけて栄養を貰っているので甘くなります。
ピーマンを横に切ると、苦味や青臭さが強く出てしまいます。
気になる方は、ピーマンを縦に切って調理しましょう。
縦半分に切ってヘタを取ったピーマンの種と筋を丁寧に取り除けば、苦味を大分和らげることができます。
ピーマンに含まれるえぐみ成分は油に溶ける性質があるため、油を使って炒め物にして食べれば渋みが緩和されます。
品種改良された苦味成分の少ないピーマン(フルーツピーマンなど)もあります。
種類
オランダ、韓国、ニュージーランドなどから輸入しています。
国内産地は、茨城県、宮崎県、高知県、鹿児島県、岩手県などです。
日常的に見かけるピーマンのほか、「赤ピーマン」、「京みどり」、「ジャンボピーマン」、「カラーピーマン」、「こどもピーマン」などがあります。
レシピ
ピーマンの肉詰め
子供のピーマン嫌い対策にうってつけのレシピ。
肉の部分を下にしたまま焼き上げれば、ピーマンの色褪せもなく、形も崩れることなく見た目も美しく仕上がる。
ピーマンサラダ
サッと炒めたピーマンに、ごまドレッシングや柚子ドレッシングをかけて食べれば、ビタミンCを効率よく摂ることができる。
ピーマンのビタミンCは熱に強く、調理しても壊れにくい まとめ
ビタミンAやビタミンC、葉緑素が豊富に含まれているピーマンは、美容と健康に大変役立つ食材です。
ピーマンのビタミンCはビタミンPに守られ、加熱調理しても壊れにくいのが特徴です。
美肌効果、生活習慣病の予防や改善、動脈硬化予防、免疫力アップ、疲労回復などに働きかけます。