ポポー【ポーポー】｜新しいのに歴史が古い！幻の果物

果物が美味しい実りの秋に、人知れず愛されてきた幻の果物があります。
「ポポー」という変わった名前の果物は、最新流行の南国フルーツのようですね。
しかし、明治時代には、すでに日本に入っていたという歴史ある果物です。
意外と身近なところで育てられていたため、正体を知ると「これがポポーだったの！」と驚く人も多いかもしれません。

「ポポー」の歴史とは

ポポーは、見た目がアケビに良く似た果物です。
そのため、日本固有のフルーツと思われることもありますが、じつは北アメリカ原産という意外な経歴を持ちます。
日本に入ってきたのは明治時代と言われているので、100年以上もの間、ひっそりと日本に根づいていたんですね。

英語での表記は「pawpaw」となりますが、アメリカでは「森のカスタードクリーム」「アメリカン・カスタード・アップル」「貧しい者のバナナ」といった名称で呼ばれることもあります。
ネイティブ・インディアンに愛されてきた果物で、アメリカではフルーツとして栽培もされています。

日本でのポポーは、果物というよりも、庭木として広まった歴史があります。
主に富裕層から栽培が始まりましたが、戦後に広く普及していきました。
病害虫がいないため、農薬を散布しなくても栽培できることが、人気を呼んだと言われています。

食べ物が乏しい時代は、果実が食べられることもありましたが、時代が進むにつれて忘れさられてしまいました。
近年になって、幻の果実として脚光を浴びるようになり、島根、愛媛、茨城などで町おこしのために活用されていたりもします。

食材データ

種類：果物類
旬の季節：秋

主な効能

免疫力強化
美肌効果
老化予防
栄養補給
ガン予防

栄養成分

栄養価の高いフルーツといえばバナナやリンゴが挙げられますが、ポポーもバナナやリンゴと同等、もしくはそれ以上の非常に高い栄養価があります。
すぐに食べれるフルーツの利便性と合わさって、栄養補給にはピッタリの食材です。

ポポーは多くのビタミンCを含む果物です。
ビタミンＣは活性酸素を自らが酸化される事で身体を酸化から守るといった効果から免疫力を高めると同時に、ガン予防、老化予防、美白効果などがあります。

特徴

ポポーは、春先に花をつけて、秋に実が収穫できます。
花は少し暗めの赤で、果実は片手サイズの楕円形です。
実を結んだばかりのときは、薄緑ですが、熟すにつれて紫になっていきます。
芳香を放ち、自然に落下するころが食べごろです。

中の果肉が、鮮やかなオレンジ色になることから、「アケビガキ」という和名で呼ばれることもあります。
外側がアケビで、柿のような果肉を持つことから命名されたと考えられています。
並んだ種を取り除くのが少し手間ですが、三分の一ほどに切り分けて、スプーンですくって食べると良いでしょう。

よく熟したものは、芳香が強いので、まずは香りから楽しんでみてください。
味わいは甘く、バナナをもう少し柔らかくしたような、ねっとりとした食感が人気です。
隠れた酸味が、食欲をそそります。

ポポーは地産地消が基本

ポポーは、庭の木から収穫して、家族で楽しむことがほとんどです。
意外と身近な低木なので、「おばあちゃんの家で食べたことがある！」という人も少なくないかもしれません。
ただ、懐かしい味を取りよせようとしても、難しい問題がありました。

収穫時期が短く、日持ちがしない果物なので、流通させることができなかったのです。
商業に向けた栽培が難しいため、庭木として多く植えられている地方の特権のようなフルーツでした。
幻の果物と呼ばれる、由縁ですね。

しかし、通販での取り寄せが発達した現在では、少数ながらも取り寄せることが可能となっています。
苗木も販売しているので、庭がある人は、思い切って植えても良いかもしれませんね。

また、町おこしの一環として、アイスクリームやジェラート、スムージーなどに加工したものが販売されています。
愛知県や島根県などが有名なので、ご当地スイーツとして楽しむことができます。
道の駅などで、生の果物が販売されていることもあるので、近くに立ち寄ったときは、ぜひ購入してみてくださいね。

ポポーのスイーツの作り方

ポポーは、生で食べても美味しいですが、美味しいスイーツに変身させることもできます。
例えば、冷凍庫に入れて軽く凍らせるだけで、シャーベットとして食べられます。
簡単な一手間ですむので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

スムージーにするのであれば、ヨーグルトと氷と一緒にミキサーにかけるだけです。
また、ピューレ状にして生クリームや砂糖などを加えると、ポポープリンとして美味しく食べることができますよ。