トロピカルフルーツの代表格としても知られるパパイヤは、パパイヤ科パパイヤ属の植物及び果実のことです。
樹高は2~10mにもなり、茎の先には掌状のヤツデの葉に似た大きな葉がつきます。
品種により果実の大きさは様々ですが、熟すに従い、緑色から黄色に変化します。
熟した実の食感は熟した柿に似ており、酸味のある独特な甘味が特徴的ですが、果実が大きくなるほど甘味が薄れます。
青パパイヤは未熟なうちに収穫された果実であり、たっぷりと酵素を含んでいます。
通常は果物扱いされずに野菜扱いされ、サラダや炒め物、酢の物、煮物などに使われます。
大航海時代の16世紀、探検家のコロンブスによってパパイヤは発見されました。
腹痛を起こした隊員の一人に原住民から貰ったパパイヤを食べさせたところ、すぐに症状が治まったため、コロンブスはパパイヤを「魔法の木の実」として本国に持ち帰ったそうです。
その後、ヨーロッパ各地に伝播した後、日本には明治時代に伝わり、沖縄や鹿児島などで栽培されるようになりました。
メキシコのユカタン半島のピラミッド周辺にはパパイヤが群生しており、マヤ文明期の古代の人々が、食用や薬用にパパイヤを利用していたそうです。
パパイヤの呼び名は多数あり、「チチウリノキ(乳瓜木)」、「モッカ(木瓜)」、「パウパウ」、「ポーポー」、「ママオ」、「ツリーメロン」などがあります。
食材データ
種類:果物類
旬の季節:夏
主な効能
ガン予防
肉の消化促進
栄養成分
パパイヤの果実には独特の芳香があります。
甘酸っぱい香りと共に漂う、微かな腐敗臭のような独特の匂いです。
人によっては、パパイヤを切ったときに、ふっと立ち上るこの匂いを嗅いだだけで苦手、と感じることもあるでしょう。
ですが、パパイヤは、とても役立つ栄養素を豊富に含んだ果物なのです。
ビタミンA(カロテン)、ビタミンB群、ビタミンC、リコピン、有機酸(クエン酸等)、ミネラル類、食物繊維、酵素(パパイン酵素等)が豊富に含まれています。
ビタミンA(カロテン)は、皮膚や粘膜細胞を正常に保ち、活性酸素を抑え、免疫力を高める働きがあります。
ビタミンCは、コラーゲン生成に欠かせない栄養素であり、老化やガンの原因の一因ともされる酸化から身体を守る働きもあります。
白血球の働きを高めることにより、白血球が体内に侵入する細菌やウイルスを撃退してくれます。
ビタミンC自体にも細菌等に対抗する力があります。
リコピンは、ガン予防に効果的といわれています。
以上のことから、パパイヤは免疫力を高め、細胞を正常に維持する働きの強い果物だと言えるでしょう。
ガン予防に対しても大いに期待が持てます。
未熟果である「青パパイヤ」には、タンパク質分解酵素の「パパイン酵素」が豊富に含まれており、調理時の肉の軟化促進や、食事時の消化促進に働きかけます。
なお、パパイヤが熟していくほど「パパイン酵素」は減少します。
タンパク質分解酵素の「パパイン酵素」を利用し、「青パパイヤ」の果汁に肉を漬け込んでおくと肉が柔らかくなり、食べやすくなります。
肉料理と一緒に「青パパイヤ」のサラダや漬物を食べることで、肉の消化が促されます。
ほかにも、「パパイン酵素」には殺菌作用や傷口の修復促進効果があり、傷口を果肉に当てて治癒を促す民間療法があります。
また、「パパイン酵素」の消毒作用を活かし、粉状にして精製したものを洗顔料にしてニキビケアに使ったり、肌荒れや虫さされなどの軟膏剤としても利用されています。
特徴
パパイヤを購入する際は、傷が無く、表皮に張りがあって滑らかで艶があるものを選びましょう。
また、手に持ったときに、ずっしりと重みが感じられるものが良品です。
果肉に厚みがあり、果汁も多い美味しいパパイヤを選ぶ目安にしてください。
食べ頃のパパイヤは、全体が黄色く、肩の部分を軽く押さえると少し弾力を感じます。
緑色の部分が多いパパイヤは、追熟させて美味しくしましょう。
冷蔵庫に入れず、紙袋か新聞紙などに包み、室内に置いて追熟させましょう。
種類
ほとんどのパパイヤはフィリピンから輸入されています。
ハワイ産、台湾産のものもあります。
国内では、沖縄県で栽培されています。
「ソロ」、「サンライズ」の品種があります。
レシピ
パパイヤとマンゴーのタルト
トロピカルフルーツ代表種の2つ(甘みの強いパパイヤとマンゴー)を合わせたタルト。
空焼きしたタルトの上にカスタードクリームを入れて、パパイヤとマンゴーをトッピングすれば案外簡単にできる。
カスタードクリームの代わりに、やや酸味のあるジャムを代用しても良い。
ソムタム (青パパイヤのサラダ)
青パパイヤなどで作るタイ王国のサラダ。
熟していないので、野菜として使用される。
青パパイヤはアクが強く、数分間、水にさらしてあく抜きする。
浸け過ぎると、せっかく豊富に含まれているビタミンが流れ出てしまう。
青パパイヤはサラダのほか、炒め物、酢の物、煮物にも使われる。
パパイヤ 豊富なビタミンA、ビタミンCが免疫力を高めてくれる まとめ
独特の匂いのあるパパイヤは、豊富な栄養素を含んだ果物です。
ビタミンA(カロテン)、ビタミンB群、ビタミンC、リコピン、有機酸(クエン酸等)、ミネラル類、食物繊維、酵素(パパイン酵素等)をたっぷりと含み、ビタミン類は免疫力を高め、「青パパイヤ」のパパイン酵素が肉の消化を促進してくれます。