脳疲労

こんなことを感じることはありませんか?

「ゆっくり休んだのに、疲れが取れなくてイヤだ」

「体がだるくて重い気がする」

「眠気が取れなくて、1日中いつも眠いんです」

「イライラしたり、ユーウツな気分になる」

もしかすると、それは脳疲労のせいかも知れません。

脳疲労とは、脳が疲れるので身体の様々な機能に支障が出てしまう症状のことです。

現代は、肉体よりも頭を使うことが昔に比べてずっと多くなってきました。

スマホやパソコンなどのIT機器を駆使して、世の中にあふれかえる情報を手に入れ、常に脳で処理している状態なのです。

こう考えてみると「脳が疲れる」のは当然と言えば当然のなりゆきと思えます。

いわば「脳疲労」も「現代病」の一つとも考えられます。

脳疲労は色々な理由で起きる

脳疲労の原因として

  • 「頭を使い過ぎて脳の機能が低下」
  • 「目を使い過ぎて眼精疲労」
  • 「日々のストレスの蓄積」

などが考えられます。

こうなってくると、徐々に「うつ病」「肥満」「慢性的な疲労」などの症状につながっていく恐れが出てきます。

そんな脳疲労を回復させるためには、睡眠が一番効き目があると言われています。

睡眠とは、肉体的な疲労を回復するためと考えられていますが、本当の目的は脳の疲労を回復させるためなのです。

私たちは寝不足になるとイライラする傾向がありますが、原因は身体的疲労ではなく、脳疲労から来ていると思われます。

また、良質な睡眠を得るためには

  1. 午前中に太陽の光を浴びること
  2. 夜にぬるめのお湯に浸かること
  3. 適度に運動すること

の3点を心がけてください。

良質な睡眠をとり、上手にストレスを発散して、脳疲労にならない生活をめざしましょう♪

主な症状

脳疲労の主な症状は、認知力の低下と言われる疲労症状として現れます。

脳が疲労すると理解、判断、論理などの人間の知的機能を奪い、学校や職場での生産性、作業効率を大きく低下させてしまいます。

個人の能力や資質が認知能力には大きく影響しますが、脳疲労時にはその個人が持つ認知能力を完全に発揮できない状態になるそうです。

脳疲労の主な症状を紹介しておきます。

重複する内容もあります。

  1. 集中できない
  2. 考えるのが面倒
  3. 記憶力の低下
  4. もの忘れ
  5. 理解力の低下
  6. 判断力の低下
  7. 表現力の低下
  8. コミュニケーション低下
  9. 思考力が低下
  10. 作業効率の低下
  11. 注意力の低下
  12. ミスの増加

①~⑪のせいで⑫になるという気がしますね。

いずれにしても、前述したように、人間の知的機能に悪影響が出てくることは、一目瞭然だと思われます。

回復方法

脳疲労を回復させるには効果的な5種類の方法があるそうです。

コーヒーなどの擬似回復は脳疲労の回復に即効性はありますが、そのメリット・デメリット(飲み過ぎると眠れなくなったり、胃をやられる人も)をわかった上で利用することが大事だと思われます。

その他の運動、栄養、仕事の進め方などは、脳疲労を回復させるだけではなく、脳そのものの機能を改善する効果があると言われています。

ここでは脳疲労の症状のうち、認知機能の低下に注目して、脳疲労の症状、脳疲労の回復方法を5種類に分類して紹介していきたいと思います。

擬似回復

脳疲労そのものは回復しないのですが、疲労を麻痺させたり、一時的にやる気を起こさせる方法を脳疲労の擬似回復と言います。

擬似回復には、その後のリバウンドやデメリットはありますが、その特性を十分理解してうまく利用すれば、悪影響を少しでも減らし、疲労回復の効果を実感できるはずです。

以下の様な飲み物などが擬似回復方法には利用されるようです。

  1. カフェイン
    コーヒー、紅茶などを摂ると覚醒作用がありますし、気分転換にも良いとされています。
  2. 疲労回復(エナジー)ドリンク
    ちょっと前には「栄養ドリンク」と呼ばれていたことも。
  3. 高グリセミック指数食品(高GI食品)
    グリセミック指数というのは、血糖値の上昇度合いを示す指数で、この場合は脳に血を送るために指数の高い物を食べるのが良いと言うことですね。
  4. タバコ
    リフレッシュには良いのですが、大量に吸うのは止めた方が良いと思います。
  5. チョコレート
    血圧やコレステロールを下げる効果もあると最近特に注目されています。カカオ成分の多い物が良いと言われています。

運動による回復

運動すると脳の血流が良くなり、ストレスが軽減されるので、脳疲労が回復されるそうです。

ジョージア大学で行われた「運動と脳の研究」によると、20分程度の単純な運動をすることで、仕事の処理能力や記憶力が大幅に改善するそうです。

20分という時間は、「血流が良くなって、頭がスッキリし始める」と多くの人が感じる時間で、運動強度が強い場合(激しい運動をした場合)は、20分以下の時間でも効果があります。

職場や学校でできる運動は限られますが、脳疲労を回復する即効性のある運動としては、ストレッチ、体操などの軽い運動、散歩、イスに座らず立って作業するなどがあります。

また、運動は上記の即効性のある脳疲労回復効果以外にもよい影響があり、運動習慣が脳そのものを強化し、疲れにくくする働きがあると言われています。

アメリカUCLA大学の研究では「運動習慣によって脳の成長因子が増えるので、加齢に伴って減少していくニューロンの増加をもたらし、脳の働きそのものや、脳容積を維持・改善する効果がある」という報告をしています。

また、運動は意欲、学習などに関わる物質ドーパミンを出すことで、成人のADHD(注意欠如・多動性)や集中不可能などの作業効率低下につながる脳疲労症状を改善してくれる効果もあるのです。

その他にも、運動は脳疲労だけでなく、エネルギー量そのものを増やし、疲れにくい体を作ったり、不安やストレスを低減し、睡眠の質を改善する効果もあるのです。

もちろん、ダイエットにもいいということは皆さんご存じですね。

栄養・食事による回復

脳疲労は栄養や食事によって回復することもできます。

即効性が高いのは水を飲むとか、温かい飲み物を飲んで水分を摂ることです。

脱水症状は脳への血流を悪化させるのですが、仕事をしている時間中の水分補給はつい忘れがちになる傾向がありますので、気をつけて下さい。

温かい飲み物は、血液循環を良くするだけでなく、リラックスを促進してくれる副交感神経に働きかけて、気持ちを落ち着かせ、不安やストレスを軽減してくれるそうです。

その他には、ガムを噛むと脳への血流が良くなるので集中力が増すと言われています。

実際、ガムを噛みながら作業すると、噛まないで作業するよりも集中力が増すということが2013年のイギリスの研究で実証されています。

また、脳の機能を向上させたり、脳疲労を回復してくれるサプリメントなどがたくさんあります。

例えば、イチョウ葉は血流を改善し、脳疲労を回復してくれる効果がありますし、アミノ酸の一種チロシンは集中力を強化してくれるサプリメントとして知られています。

仕事の進め方を変えることで脳疲労回復

仕事の進め方は、脳疲労にとても大きな影響を及ぼします。

特に自分自身が「嫌だ」「苦手だ」「初めてでわからない」と感じる仕事は心理的ストレスが高く、「ワーキングメモリ」と呼ばれる情報を一時的に記憶する領域が減ってしまうので、脳がより早く疲労してしまうのです。

反対に、自分が好きな仕事はストレスも低く脳疲労への影響は少ないでしょう。

とは言え、好きなこと(仕事、勉強)だけをしているわけにはいきませんね。

心理的ストレスが高い仕事であっても、仕事の進め方を変えることで、脳の疲れを低減することができるはずです。

例えば下記のようなことを試してみてはいかがでしょうか?

  1. 面倒な作業の分割
  2. 単純作業に切り替える
  3. マルチタスクをやめる
    一度にあれもこれもと沢山の仕事を抱え込むのはやめましょう。
  4. 小さな目標を達成する
    少しずつでも達成感を積み上げると精神的に余裕を感じられるので、脳にもいい影響が期待できます。

その他脳疲労回復方法

その他に効果が期待できる方法を挙げておきますね。

昼寝

20~30分程度昼寝をすると脳と体がリフレッシュされ、生産性も向上することが判明しています。

ただ1時間以上もの長時間の睡眠を取ったり、夕方以降に仮眠してしまうと、夜の睡眠の邪魔になってしまうので、注意して下さいね。

可能ならば、職場のお昼休みにお昼寝することをオススメします。

目・首・肩を温める

目元や首、肩を温めると脳への血流が良くなるので、脳疲労を回復する効果があるそうです。

特に目元を温めるのは簡単にできますし即効性も高いのです。

しかもドライアイや眼精疲労にも効果があるというのが嬉しいですね。

実際やってみた人は「気持ちいい~」「癒される」「ちょっとの時間でもちゃんと疲れが取れる」などの良い評価をしてくれています。

香り

アロマテラピーは「香り療法」と言われるように、香りによって脳疲労や体の疲れを癒やすことができます。

脳疲労に効果のある香りはローズマリー、ペパーミント、ラベンダーなどが代表です。

寝るときにアロマポットに入れて枕元に置くと効果がありますよ。

疲れにくい脳を作る

ワーキングメモリ(作業記憶、作動記憶)などの脳の一部機能(概念)については「専門のトレーニングを受けると、改善することができる」という研究がイギリスの大学で発表され、ADHDなどの治療に生かせるのではないかと注目されています。

血流を良くする

脳は体の全酸素供給量の20~25%を消費しています。

そのため、血流が悪くなると酸素が脳に行きにくくなります。酸素が足りないと、脳が疲れやすくなって、集中力や判断力などの認知機能の低下を招いてしまうのです。

マッサージやストレッチをする、あるいは簡単にピンと背を伸ばし、姿勢を正すなどで血流を良くすると、脳疲労の回復にも役立つそうです。

その他

精神的にリラックスすることによって脳を休める「深呼吸・瞑想」や「音楽を聴く」なども脳疲労の回復に効果があります。

脳疲労の主な症状と回復方法|正しい睡眠で脳と体をリフレッシュ まとめ

「脳」が疲れると体に大きな影響が出ることがおわかりいただけましたか?

適度な運動をして脳に血を送り、リラックスして精神的な負担を小さくする。たった一つの「脳」は一生つきあっていく大切なものです。

この記事を読んで、「脳」について考える参考に少しでもなれば、嬉しく思います。

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