ニンジン【人参】|β-カロテンが体内活性酸素を除去し、若々しく

ニンジンはセリ科の越年草で、原産地であるアフガニスタン周辺で東西に分岐して世界各地に伝わりました。

太くて短い西洋系ニンジンは、オランダ経由でイギリスへ。

細長い東洋系ニンジンは、中国経由で東方へ。

東洋ニンジンよりも栽培が容易な西洋ニンジンは品種改良が進み、数多くの品種が栽培され、流通しています。

しかも、西洋ニンジンは含有カロテン量が東洋ニンジンより多いのです。

16世紀には日本に伝来し、当時はニンジンの葉も根も食べていましたが、明治以降は主に根だけを食べるようになりました。

滋養強壮の薬として重用される「高麗人参」や、「金では買えない物」と表現されるほど貴重な秘薬として古来から重宝されてきた「田七人参」はウコギ科の植物であり、野菜の「ニンジン」とは植物分類学上において異なります。

「馬の鼻先にニンジン」とは、人にやる気を起こさせるスイッチ要因としての喩えに良く使われる言葉です。

馬の目の前にニンジンをぶら下げた途端、ニンジン食べたさに鼻息も荒く猛然と走り出す……

といったアニメのイメージが頭に浮かぶかもしれません。

このように、日本では「馬はニンジンが大好物!」という考えが当たり前のように定着しており、牧場のイベントコーナーでも馬にニンジンを与えることが多いです。

ヨーロッパでは昔から、馬のご褒美に角砂糖や果物を与え、日本では安価なニンジンを与えてきました。

そういった歴史があるので、日本以外の国の馬はニンジンを嫌がって食べないこともあるそうです。

ショ糖を多く含んでいるため、特有の甘みを持つニンジン。

こんな御馳走を食べない馬がいるとは驚きです。

馬の世界にも喰わず嫌いがいる、ということなのでしょう。

 

食材データ

種類:根菜類
旬の季節:

主な効能

ガン、潰瘍、肝臓病、乳汁分泌促進、強壮など万病予防に。

※効能は栄養成分などから一般的に効果があると考えられているものを記載しています。効果を保証するものではありません。
 また実際にこれらの症状がある方はまず医師に相談してください。

 

栄養成分

ニンジン

英名のcarrotが「カロテン(carrotin)」の語源となっているように「β-カロテン(β-カロテンは必要量が体内でビタミンAに変換される)」が豊富に含まれているニンジンは、別名「緑黄色野菜の王様」とも呼ばれています。

ニンジンに豊富に含まれている「β-カロテン」が、万病の原因と考えられている活性酸素を取り除き、血管を若々しく保って動脈硬化などの予防や改善に働きかけます。

β-カロテンが体内でビタミンAに変換され、それが皮膚や喉粘膜を健やかに維持し、免疫力をUPするので風邪などの感染症から守ってくれます。

β-カロテン(ビタミンA)が紫外線によって生じた活性酸素を除去し、シミやそばかすの原因になるメラニン色素発生を抑制してくれます。

メラニンは紫外線から皮膚を守る役割もありますが、紫外線が当たると皮膚ガンの発症を引き起こす原因にもなり得ます。

ニンジンを食べることで、ガンへの予防効果が期待できます。

「日頃からニンジンをあまり食べない人に比べ、常食している人は肺ガン発生率が半分になる」という研究報告もあるとか。

1982年に、米国科学アカデミーが、ガン予防の代表的な食材としてニンジンの効能を掲げたそうです。

β-カロテン(ビタミンA)には目の健康を保つ(夜盲症や眼精疲労の予防)効果もあります。

ニンジンには、紫外線などのダメージから目を守ってくれるルテインも含まれているので、目の健康維持への相乗効果が期待できます。

β-カロテン(ビタミンA)だけではなく、ビタミンB群ビタミンCがバランス良く含まれており、皮膚病や肌荒れにも効果を発揮します。

ミネラルバランスも良く、カリウム、鉄、カルシウム、リンなども多く含んでおり、栄養価値が高い食材です。

特にカリウム含有量が多く、カリウムには血中に存在する過剰なナトリウムを排出する働きがあり、高血圧を予防します。

ニンジンに豊富に含まれるペクチンと呼ばれる食物繊維が腸機能を整え、便秘を解消します。

ミネラルやビタミンのバランスのとれたニンジンを食べることで便秘が改善され、胃腸などの内臓機能が向上し、骨や歯が強化されることが期待できます。

 

特徴

にんじん

ビタミン類やミネラル類をバランス良く含み、炭水化物が多く、ショ糖を多く含むので特有の甘みを持っています。

緑黄色野菜の中でも突出した栄養価です。

油と一緒に摂るとβ-カロテン(ビタミンA)の吸収率が良くなります。

きんぴらニンジンや天ぷらなどといった油を使う調理法で食べるのが良いでしょう。

購入の際は、全体的に色鮮やかなオレンジ色をしており、艶と張りがあるものを選びましょう。

旬は春と秋冬の2回で、春ニンジンは瑞々しく柔らかく、秋冬のニンジンは加熱すると甘みが増します。

ニンジンの葉も栄養価が高く、食べることができます。

 

種類

世界では、中国、アメリカ、ロシアなどが生産地です。

国内では、北海道、千葉県などが挙げられます。

「金時ニンジン(京ニンジン)」、「五寸ニンジン」、「琉球ニンジン」、「紫ニンジン」、「ミニキャロット」などの品種があります。

 

レシピ

キャロットケーキ

ニンジンを生地に練り込んで作った綺麗なオレンジ色のケーキ。

ニンジン嫌いなお子様に最適なレシピ。

シナモンなどで、ニンジンの風味を和らげよう。

キャロットケーキ

 

ニンジンのポタージュ

栄養価の高いニンジンの恩恵を余さず摂ることができる。

すり鉢とすりこ木を使ってペースト状になるまで擦っておけば、口当たりがなめらかで口どけも良くなる。

牛乳の代わりに、豆乳を使っても良い。

 

ニンジン【人参】 β-カロテンが体内活性酸素を除去し、若々しく まとめ

太くて短い西洋系ニンジンと、細長い東洋系ニンジンの2種があり、どちらも食用として重宝されてきました。

適度な甘みを持ち、緑黄色野菜の中でもずば抜けた栄養価で「緑黄色野菜の王様」とも呼ばれます。

豊富に含まれるβ-カロテン(ビタミンA)が体内活性酸素を除去します。

動脈硬化を予防し、目の健康を維持し、免疫力を高めて風邪などの感染症から守り、便秘を解消、美肌に導きます。

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