真夏のように気温が高い日でもないし、暑苦しいと感じているわけでもないのに、なぜかかいてしまう「寝汗」。
肌にまとわりついて気持ちが悪いだけではなく、起きてシーツを替えたり、着替えをしたりしなければならないから、睡眠時間が削られてしまう…
「困った、何とかならないか」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
と言っても、寝汗については「ただの寝汗」と思って軽く考えていませんか?
実は寝汗は、全然考えてもいないとんでもない原因でかくことがあるのです。
「たかが寝汗、されど寝汗」なのですよ。
今回は寝汗について色々と勉強して、ゆっくり眠るための対策について考えてみましょう。
なぜ寝汗をかくのか?
普通、人間は寝ている間にコップ一杯程度の汗をかくそうです。
人が眠る時には、体温を下げることによって脳が覚醒から入眠へと切り替わるのですが、体は汗をかいて体温を下げようとするのです。
ですから、寝汗をかくこと自体は自然な体の働きですから、何も問題はありません。
しかし、眠っているのに寝汗が気持ち悪くて目が覚めてしまうとか、パジャマや下着がぐっしょりになるほど汗をかくという場合は、平均量のコップ一杯は遙かに越えているのは明らかです。
許容範囲の何倍もの寝汗をかく…
この場合は体に何らかの問題があるのではと考えられます。
また、寝汗はアルコールを摂取したり、ストレスを受けることなども関係していると言われています。
寝る前にアルコールを飲み過ぎたり、仕事や人間関係などで強いストレスを抱えていると、寝汗の量が増えることがあるそうです。
大量の寝汗は病気の前兆?
例えば、真夜中なのに気温が30度を超える熱帯夜だと、当然体温もそれだけ高くなっているので、寝入る際には普段以上に体温を下げる必要があります。
なので体は体温を下げようと活発に働き、その結果、寝汗の量は必然的に増えてしまいますね。
また、お風呂上がりで体がぽかぽかと温まった状態や、パジャマなどを着こみ過ぎているときにはどうしても寝汗はかきやすくなります。
原因がこういうことなら、寝る前にお風呂に入らないとか、着ている物を脱げば寝汗問題は解決するはずです。
しかし、こういう理由が見当たらないのに、眠っている途中に目が覚めてしまうほどの大量の寝汗をかく場合や、パジャマや下着、枕カバーを交換しなければならないほどの大量の寝汗をかくとしたら、体に何か異常があると考えるべきだと思います。
また、今まで寝汗をかいたことなんてなかったのに(もっとも、本人が知らないだけで毎晩コップ一杯程度の寝汗はみんながかいていますが)なぜか最近急に寝汗が気になるようになったという人にも注意が必要です。
なぜなら、こういう症状には何らかの病気が隠れている可能性があるからです。
ひどい寝汗で考えられる病気
パジャマがぐっしょり湿るほどの大量の寝汗をかく場合には、いくつかの病気の可能性が考えられるそうです。
まず、一番多いとされているのがストレスによる自律神経の乱れのせいでかく寝汗。
自律神経は交感神経と副交感神経のスイッチが切り替わることで人間の生命活動を司っているものですが、睡眠時にこのスイッチが交感神経から副交感神経に上手く切り替わらないと、神経の興奮状態が続いて寝汗をかいてしまうのです。
その他に隠れている病気としては、「自律神経失調症」や「うつ病」などがあります。
自律神経に関係する病気としてはもう一つ「更年期障害」も考えられます。
更年期障害はホルモンバランスが乱れたことが原因ですが、実はホルモンは自律神経と密接な関係があるのす。
ですから、ホルモンバランスが乱れると、当然ながら自律神経にも影響してくるのです。
ホットフラッシュ(気温が高くもないのにいきなり噴き出すように汗をかく)も更年期障害の症状の一つですが、寝汗もこのホットフラッシュの一種と考えられているのです。
また「肺結核」も寝汗が症状として現れる病気です。
長く続く咳とは別に寝汗も気になるようなら、肺結核の可能性を疑って一度病院を受診してみるのがよいと思います。
体のどこに寝汗をかくかで病気がわかるの?
寝汗は頭だけかく人もいれば、上半身だけ、もしくは下半身だけという人もいて、人それぞれと言えるようです。
もちろん体質的な影響もありますが、病気が原因で寝汗をかく場合もあるそうです。
例えば首の前部・付け根から下あたりにある甲状腺に異常があると、首や鎖骨付近に寝汗をかきやすくなるようですし、肺に異常がある場合には、胸の部分に寝汗を多くかくと言われています。
効果的な寝汗対策や予防法ってあるの?
寝汗をかかないためには、まずは寝汗の原因が何なのかを理解することが最優先です。
仕事で強いストレスを感じているなら、自律神経の乱れが原因と思われます。
本来、ちゃんと睡眠をとることでストレスは緩和されるはずですが、寝汗によって眠れなくなるので、ますますストレスが増大しているとも考えられます。
これを解消するためには、元凶となっているストレスを取り除くことが重要です。
また、ストレスや病気の可能性は思い当たらない状態でしたら、少しでも快適な睡眠を取れるようにパジャマや布団を色々と工夫してみてはいかがでしょうか。
例えば、綿などの通気性のよいパジャマを着る、シーツの下に吸湿性のシートを敷いて水分が溜まるのを防ぐ、それだけで寝汗による不快感が軽減されるそうですよ。
また、体温が高くなると、その分体温を下げようとして寝汗をかくことになります。
就寝の二時間前までにお風呂から上がるようにするとか、夏の暑い日はクーラーをタイマー設定にして寝入る時には部屋を涼しい状態に保っておくようにするなどの方法も効果がありますよ。
アルコールと寝汗の密接な関係
普段はそれほど寝汗をかかないのに、お酒を大量に飲んだ日の夜は、寝汗がひどくて夜中に目が覚めたという経験がある方はかなり多いのではないでしょうか。
これは、肝臓がアルコールを分解しようとして働いてくれることで起きるのです。
アルコールは体内で分解され、最後には水と炭酸ガスになりますが、一部は尿や汗となって体外へ排出されます。
ですから、お酒を飲みつけない方が、たまにアルコールを摂って寝汗をかいてしまうというのはあり得ることと思われます。
しかし問題になるのは、毎日のように晩酌をしている方の場合です。
毎日お酒を飲んで、アルコールに慣れているはずの人が、たまにお酒を飲まなかった夜に寝汗をかくこともあるのですが、これはアルコール依存症の一種の離脱症状(禁断症状)と思われます。
大量の寝汗は病気の前兆だったらどうする? まとめ
「寝汗」と一口に言っても、原因は色々とあり得るものですね。
着替えが必要なほどの大量の寝汗は、もはや「睡眠障害」と言ってもよいのかも知れません。
「健康な心身は心地良い睡眠から」と言われているので、あまりにも寝汗がひどく、眠りの邪魔になる場合は、一度病院へ行ってみることをおすすめします。
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なんて思う女子もいるかも知れませんが、気づかないだけで心身には強いストレスがたまっているのかも…
寝汗の症状を確認して原因をつきとめましょう。