納豆の日と聞いてピンとこられた方は当たりです。
そう、納豆の日とはズバリ7月10日、なっとうという言葉の語呂合わせです。
でもこの納豆の日、私はどうも合点がいかない。
今回はそんな納豆の日のお話です。
納豆の日
納豆は主に関東で好まれた食材ですが、関西ではあの独特の臭いから食べず嫌いの方も多く、販売戦略を練ることとなりました。
それが、納豆の日です。
もともとは関西での納豆の消費拡大を見込んで制定された関西限定の記念日だったのですが、その後「全国納豆共同組合連合会」が納豆の日と定めたことで全国的に知られることとなりました。
というのが制定の由来ですが、そもそもこの時点で疑問に思うんですよね。
納豆の日に意味があるのか?
私が疑問に感じたこと、それはキャンペーンに利があるのかということ。
そもそも納豆は関西では好まない人が多く、消費は伸びませんでした。
納豆を好まない人に「納豆の日」といっても果たして買うでしょうか?
「今日は納豆の日だから、今まで食べたことの無い納豆を食べてみましょう」とはならないと思うんですよ。
これで消費量が伸びるんでしょうかね?
逆に関東では納豆が好きで毎日食べるという人がいますよね。
ドラマや映画でも朝食に納豆が出ているシーンをよく見かけます。
納豆を毎日欠かさず食べている人は毎日納豆を買っているんじゃないでしょうか?
毎日納豆を食べている人が「今日は納豆の日だから3個ずつ食べましょう」とはならないでしょ。
これも消費が伸びるとは思えないんですよね。
納豆の消費量
1981年に関西で納豆の日が制定され、1992年に全国的になりましたが、実際どれくらいの消費量増加があったのでしょうか?
事実、関西に住む私の周りでも納豆を食べる人が多くなったのを感じますし、売り場でも売れている感じがします。
農林水産省総合食料局食品産業振興課の調べによると過去30年間で納豆の消費量は4.2倍にも膨れ上がっているそうです。
しかし、先ほど紹介した納豆の日PRが成功したとも思えませんよね。
なんとも不思議な現象ですが、何か秘密があるはずです。
消費者の関心
農林水産省は健康保持用摂取品、いわゆる健康に良いとされる食品も調査しています。
これによると、ここ数年で健康に良いとされる食品の消費量が2.5倍くらいに増加しています。
そう、消費者の関心は単なる「納豆」だけではなく、健康食品にあったのです。
「意味があるのか?」と先ほど思っていた納豆の日PRはこんなところで活きてきたのです。
しかも、「爆発的に」です。
野菜が高くなると納豆が売れる
これはちょっとした雑学ですが、野菜が不作で高騰すると納豆が売れるというのです。
なんとなくわかる気がしますよね。
消費者の関心は健康に良い食品です。
健康に良い食品といえば野菜を思い浮かべますが、この野菜が高くなると消費者はどうするでしょう。
納豆の消費量が伸びた理由は健康に良いというだけではありません。
健康に良く、かつ安いのです。
健康に良いとされる野菜の価格が高騰すると、価格が安く健康に良い納豆を選ぶのはごく自然なことですね。
相関係数でみると野菜と納豆の価格による消費量には関係がないといいます。
これが雑学の粋をでないのは、あくまで「体感から」ということだからです。