「僕はメロンにメロンメロン」……2003年に発売されたJA茨城メロンのCMソングです。
メロンメロンという掛け言葉から推察されるように、ジューシーで甘く美味しいメロンの虜(メロメロ)になる方も多いはず。
メロンは、かつては高級フルーツの代名詞でした。
お見舞いにメロンを何個貰うかで、その人のステータスの高さが推し量れたというもの。
現代では、一部の高価なメロン(マスクメロン)を除けば、比較的購入しやすい果物として人気です。
フルーツパフェにも入っていますよね。
メロンは、ウリ科キュウリ属のつる性の一年草。
最近の遺伝子研究により、原産地はインドと裏付けられました。
紀元前5世紀頃、エジプトで作られた苦味の少ないメロンが地中海を超え、ヨーロッパに渡りました。
紀元前2000年頃には栽培が始まり、西方に伝わった品種群を「メロン」、東方に伝わった品種群を「ウリ(瓜)」と呼びました。
ルネサンス時代、南フランスで甘い品種のメロン栽培に成功した後、現在のような甘いメロンの栽培に至るまでは、数世紀に及ぶ改良が行なわれました。
果実の形は様々です。多くは「球形」ですが、「ラグビーボール形」、「こん棒形」、「蛇状形」などがあります。
果皮の色も様々で、「白色」、「緑色」、「黄色」のほか、複数色が混ざっている場合もあります。
また、網目が生じるもの(アミメロン・網系)と、生じないもの(アミナシメロン・網無し系)があります。
食材データ
種類:果物類
旬の季節:夏
主な効能
むくみの改善
高血圧、腎臓病の予防
解熱、暑気払い
※効能は栄養成分などから一般的に効果があると考えられているものを記載しています。効果を保証するものではありません。
また実際にこれらの症状がある方はまず医師に相談してください。
栄養成分
メロンは完熟で食べるのが一番美味しい、というのは常識ですが、これがなかなか難しい。
完熟期はほんの僅かで、見極めを誤ると「極度に熟し過ぎたものは苦くて不味い」、「未熟すぎて堅くて不味い」ということになりがち。
メロンは、出荷時期と食べ頃の時期が一致していないことがほとんどです。
そのため、まだ完熟していないメロンを保存しながら追熟し、食べ頃を待つのが良い方法です。
追熟途中でエチレンガスが発生し、これが信号となって果実の呼吸が盛んになり、色づき、軟らかになって糖分が増す、という仕組みです。
果実の細胞壁の外側のペクチンが分解され、細胞の構造が弛んで果肉が軟らかくなるのです。
また、細胞内のデンプンが加水分解され、糖度アップにつながります。
メロンには、スイカのおよそ3倍もの「カリウム」が含まれています。
カリウムには水分と共に余分なナトリウムを排出する作用(利尿作用)があり、体内の水分バランスを整えるので、むくみの解消や高血圧予防に働きかけます。
中医学で見ると「メロン」は寒性で甘味。
「寒性」が強く、暑気あたりなどには効果的ですが、冷え症の方が食べると体が冷え、体調を崩す要因になり得ます。
胃腸虚弱の方、お子様、妊婦の方も「常温のメロン」を食べることをお勧めします。
冷蔵庫で冷やしたメロンを食べると、身体を冷やし過ぎてしまいます。
メロンは喉の渇きを収め、心、脾、胃、肺、大腸に行き渡ります。
暑い夏、ほてりやのぼせなど、体内にこもった熱を排出するのに即効性があります。
メロンには、果糖、ショ糖、ブドウ糖などの糖質が多く含まれています。
体内ですばやくエネルギーに変わるのが特徴です。
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCも含まれており、特にビタミンCが豊富です。
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持や免疫力向上に働きかけます。
また、赤肉のメロンには「β-カロテン」が多く含まれており、その量は緑黄色野菜のホウレンソウに匹敵します。
強力な抗酸化力を持ち、体内で必要分だけ「ビタミンA」に変換されます。
粘膜や皮膚、免疫機能を正常に維持するために欠かせない栄養素です。
温室物(マスクメロン等)は、主に温室栽培で育てられ、香りが良いのが特徴です。
露地物(プリンスメロン等)は、主に露地で育てられ、栄養価が高いのが特徴です。
温室物より、露地物の方が美味しく栄養が高いと言われています。
特徴
メロンを購入する際の目安としては、色が均一なもの、手に持った時にずっしりと重く、網がくっきりとしているもの。
堅い場合は室温で更に追熟させます。
メロンの底の部分を押した時、少し凹んだら食べ頃です。
完熟し過ぎは甘いよりも苦味が増します。
食べ頃になったら、冷蔵庫で冷やします。
冷やすと甘味が増します。
メロンには、タンパク質分解酵素「ククミシン」という成分が含まれており、メロンを食べ過ぎると舌が痛くなる原因となります。
更に、メロンは体を冷やす食材ですので、体調が悪い時、冷え性の方、胃腸虚弱の方はメロンを食べ過ぎないようにする方が良いでしょう。
種類
中国、トルコ、イラン、エジプト、インド、アメリカ等で生産されています。
国内では、北海道、熊本県、静岡県、愛知県、青森県、秋田県、山形県、茨城県等です。
品種には、「プリンス型メロン」、「ハウスメロン(ノーネット型)」、「温室メロン(マスクメロン等)」、「ハウスメロン(ネット型)→アンデスメロン等」、「ハウスメロン(ネット型赤肉系)→夕張メロン等」があります。
レシピ
生ハムメロン
イタリア料理の代表的な前菜の1皿。
メロンにはタンパク質分解酵素が含まれているので、肉の消化促進に働く。
メロン漬け
甘みのない未熟なメロン果実を皮ごと塩漬けした「漬物」。
メロンの漬物はあまり馴染みがないが、シロウリの漬物と似ている。
メロンパン
メロンの形を模した菓子パン。
メロンが使用されてない場合が多いが、時には、メロンクリームを包んだメロンパンもある。
メロン 温室物より露地物の方が美味しく栄養が高い まとめ
メロンは、ウリ科キュウリ属の一年草で、原産地はインドです。
西方に伝わった品種群を「メロン」、東方に伝わった品種群を「ウリ(瓜)」と呼んでいます。
免疫力向上に効果的なビタミンCを豊富に含んでいます。
赤肉のメロンには「β-カロテン」が多く含まれ、免疫機能の正常維持に働きかけます。
温室物は香りが良く、露地物は栄養価が高いのが特徴です。