クルミ【胡桃】|ぷるぷる肌と健脳作用。西太后が愛したクルミ汁粉

クルミを食用にした歴史は古く、紀元前7000年前からと言われています。

日本では遺跡発掘で種や実が出土しており、縄文時代から食べられてきたと考えられています。

クルミの殻は非常に堅いですよね。

日本に自生するクルミの多くはオニグルミ(鬼胡桃)という種類で殻がとても堅く、食用にする部分の中身が取り出しにくいのです。

クルミクラッカー(クルミを割る器械)もない時代、どうやって殻を割っていたのでしょう?

香ばしい風味。

コリコリした小気味良い食感も楽しく、栄養分もたっぷりと含まれているクルミ。

健脳作用や健康維持、滋養強壮はもちろんのこと、艶々ぷるぷるの素肌や、きらきらと輝く髪艶を保つのにも役立ちます。

西太后
出典:https://blogs.yahoo.co.jp/nakamushyh/30645637.html

中国・清の時代の西太后は、クルミをすり潰して口当たりを良くした「クルミ汁粉」を愛飲していたとか。

健脳作用と滋養強壮効果を併せ持つクルミを愛飲することで、還暦を過ぎても弾力のある素肌を保ち、髪も美しく艶やかだったそうです。

クルミの健脳作用により、外交手腕も自由闊達に発揮されていたことでしょう。

クルミは、自然の恵みのアンチエイジング食材と言えますね。

前述の「堅いクルミをどうやって割るのか」には、現代のカラスのやり口に驚くばかりです。

堅いクルミの殻を割るために車道に置いて車が轢いてくれるのをひたすら辛抱強く待っていたり、上空から勢いをつけて地面に叩きつけて力技でクルミを割る姿がネットに紹介されています。

国内のカラスに「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の二種類がありますが、こうした自動車利用行動や投下行動は、「ハシボソガラス」だけが行なうそうですよ。

 

食材データ

種類:豆類
旬の季節:

主な効能

認知症予防
老化予防
強壮、強精作用

 

栄養成分

クルミ

クルミは栄養価の高い食材です。

疲労回復効果や滋養強壮効果があるため、古代ギリシャやローマでは、「クルミの実には催淫性がある」とまで考えられていました。

催淫とは性的機能を高める、いわば媚薬として捉えられています。

クルミの実には良質な脂肪油(50%以上)が豊富に含まれています。

この脂肪油は不飽和脂肪酸のリノール酸オレイン酸で、血中コレステロールを取り除く働きをするため、動脈硬化予防が期待できます。

ビタミンやミネラルも豊富で、特にマンガンの成分値が高いです。

クルミって人間の脳みそに似てませんか?

それが起因してか、イギリスでは「クルミが頭の病気に効く」とされ、中国では「クルミを食べると頭がよくなる」と言われているそうですよ。

中国の薬膳の考え方に「体の悪い部位と同じ部位を食べれば改善する」というのがありますから、「いかにも見た目が脳みそ的」なクルミにも、そういった薬膳の考え方を当てはめたのかもしれませんね。

前述したように、クルミに含まれるリノール酸やオレイン酸は血中コレステロールを除く作用があるため、常食すれば高血圧や動脈硬化の予防が期待できますし、血行を良くし、腸を潤す作用もあるため、不眠症や肥満や便秘なども改善することでしょう。

中医学においては、「腎」や「肺」を補う食材と考えられ、夜尿症や頻尿予防、呼吸器疾患の改善(鎮咳など)も期待できます。

更に、西太后も愛したクルミの健脳作用が、認知症の予防や改善につながることも考えられます。

「クルミは、元気をつけて肌を潤し、髪を黒くする(出典:開宝本草)」

だそうですよ。

また、

「クルミの樹皮や葉の煎じ汁で髪を洗うと黒くなる」

とか。

栄養たっぷりのクルミ。日に2~3個ほど常食するのも良いでしょう。

ですが、クルミ1個(約4g)で、ゆうに27kcal超えなので、食べすぎにはご注意を。

特にダイエット中の方はくれぐれもご用心。

 

特徴

西洋、東洋を問わず、古来から食用されています。

料理や菓子に使うほか、香料や化粧品、油絵具、更にはクルミの殻を使って民芸品やアクセサリー、ピンクッション(針山)など、その用途は多岐にわたります。

外果皮(殻)が堅く、種子の一部の「仁」と呼ばれる部分(中身=「クルミの実」と呼んでいる)を食用にするグループの仲間です。

クルミのように、殻の中身を食べるものには、アーモンドやカシューナッツ、ヘーゼルナッツやギンナン、クリ、ピスタチオなどがあります。

力自慢的な大男がクルミを2~3個握り締めて割っているシーンを映画などで良く見かけますが、あれをやるのは、別に大男でなくても構いません。

2~3個を手の中に入れて揉めば、手のツボを刺激して脳溢血のリハビリやボケ防止になるそうですよ。

アンチエイジングと言えば、必ず声高に叫ばれるポリフェノール。

クルミには、赤ワインを上回るポリフェノール(クルミポリフェノールと言う)が含まれています。

クルミひと掴みで、赤ワイン1杯分のポリフェノール含有量を上回るとされます。

クルミを食べる際は、できれば渋皮も一緒に食べましょう。

抗酸化作用の強いクルミポリフェノールが、実よりも渋皮に多く含まれているからなんです。

 

種類

オニグルミ
オニグルミ

クルミとは、クルミ科クルミ属の落葉高木の総称です。

やや冷涼な気候を好み、北半球温帯地域の広域にわたって分布します。

苗木が植えられて成木になるまで6年から8年かかります。

5月~6月にかけて開花すると、やがて直径3cmほどの仮果をつけます。

その中の核果の内側の仁(種子)が、我々が普段から「クルミの実」と呼び、慣れ親しんでいるものです。

数百種を超える種類があります。

日本原産のオニグルミは国内の山野に自生しているクルミですし、そのほか、外国渡来のカシグルミ、ペルシャクルミ、殻の形がハート型のヒメクルミ(姫クルミ)などが挙げられます。

オニグルミはハンマー使用必須ですが、ヒメグルミは核果同士を縦筋に合わせ、手の腹で押し潰せば簡単に割ることができます。

 

レシピ

ウォルドーフサラダ

クルミ、リンゴ、セロリなどを刻んでマヨネーズと和えたもの。

サラダとして食べるのは勿論、蒸した鳥の胸肉などと和えればお酒に良く合うおつまみに。

 

バナナと胡桃のロールケーキ

バナナの甘味と香ばしいクルミが絶妙のロールケーキ。

もう少しこってり食べたい方は、生クリームトッピングをしても。

炊飯器を使えば、しっとりと仕上がります。

 

クルミ【胡桃】 ぷるぷる肌と健脳作用。西太后が愛したクルミ汁粉 まとめ

栄養たっぷりで、健脳作用や滋養強壮作用もあるクルミは、虚弱体質の方やご高齢の方にも是非食べていただきたい食材ですね。

抗酸化作用の強いクルミポリフェノールを含むクルミは、自然の恵みのアンチエイジング食材。

「最近、お肌の調子がイマイチ……」という方にもお勧めです。

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