ケニアコーヒーの歴史
アフリカの中央に位置するケニアで、コーヒーの栽培が始まったのは19世紀の終わりになってからのことです。
コーヒーの原産地と言われるエチオピアの隣国にあったにも関わらず、栽培に着手し始めたのは遅かったのですね。
現在でもコーヒー栽培は多いとは言えず、ケニアの場合、紅茶産業のほうが活発となっています。
コーヒーの輸出額は、全体の5%にも満たない、小規模の生産です。
しかし、生産量が少ないのは、ケニアのコーヒーの品質が劣っているからではありません。
むしろケニアはコーヒー研究のための専門機関を、世界で初めて立ち上げた国となります。
研究や管理体制が充実しているうえに、流通の経路までも確立したため、高品質の豆が世界に広がりました。
とくにヨーロッパでは、ケニアコーヒーは一級品として高値で取引されています。
ケニアのコーヒー豆の品種と銘柄
ケニアのコーヒー豆の品種は、大部分がアラビカ種です。
中でも「SL28」と「SL34」が主力の品種として有名ですね。
ケニアの首都ナイロビにあった、「スコットラボラトリー(SL)」で、ブルボン種から抜粋された品種となっています。
ケニアのコーヒー生産地は、国内に10ヶ所以上存在します。
とくにケニア山の南側に位置する、ニエリ地区やキリニャガ地区などが知られています。
ケニアのコーヒーは、近年のスペシャリティコーヒーのブームを受けて多くのブランドが生まれています。
「マサイ」や「キリニャガマウンテン」と言った銘柄などがあります。
しかし、現在でも「ケニア」そのものが銘柄として有名です。
ニエリ地区とキリニャガ地区の豆をミックスした「ケニアAA」は最高級として扱われています。
ケニアのコーヒー豆の処理法
ケニアのコーヒー前の処理は、ウォッシュドがメインです。
栽培されたコーヒー豆の90%は、ウォッシュドで精製されます。
中には、伝統的なケニア式の処理法を採用している所もあります。
ケニア式は、発酵の工程後に、綺麗な水に一昼夜浸しておくソーキングという方法が取られます。
その後、天日乾燥などを経て脱穀し、選別していきます。
ケニアのコーヒー豆の等級付け
ケニアのコーヒー豆は、スクリーンサイズという豆の大きさによって、7つの等級に分類されます。
7.20mm以上が最高のAA等級となります。
その後、AA以下で6.80mm以上のものがAB等級ですね。
さらに「C→E→PB→TT→T」といった順に下がっていきます。
また、生豆の状態や抽出後の品質によって、さらに10段階にクラス分けもされます。
この場合、最高品質が1で、最も風味が低いコーヒーが10とされます。
ケニアのコーヒー豆の味と焙煎法
ケニアコーヒーの味の最大の特徴は、柑橘をイメージさせる爽やかな芳香と、厚みのある酸味です。
香りを大切にしたいのであれば浅煎りがオススメですね。
深焼き焙煎すると、甘みが加わりますが、酸味が残りやすいので、飲む人を選ぶ傾向にあります。