京阪本線の踏み切りで60代の女性が線路内に進入し、人身事故発生。
6月30日午前7時20分頃のことだったと報道されています。
人身事故が起こった現場は、京阪本線樟葉駅~橋本駅間の踏み切りだということで時間帯からも目撃者が多数いたに違いない。
警察は女性の身元確認を急いでいるというのですが、それもそのはず。
電車で人身事故を起こした場合、大抵遺体はバラバラ。
電車の運転士がどれだけ速く異常に気付いたとしても走っている電車は簡単には止まりません。
この京阪電車人身事故の影響で一時運転を見合わせています。
人身事故の影響でどれだけの人が電車内に閉じ込められ、復旧までどれだけの時間がかかるのか。
これには遺体処理が関係していました。
電車での人身事故は誰が処理するのか
みなさんご存知のように電車は急には止まれません。
ですから、線路内に人が侵入し接触した場合、死亡確定、遺体はバラバラになります。
電車で人身事故が起きた場合、まず対応しなければならないのが、その電車の運転士と車掌です。
人身事故が起こるとすぐに鉄道会社から警察と消防、必要な場合はレスキュー隊に通報されますが、警察が来るまでの間は鉄道会社内で処理しなければなりません。
鉄道会社の規定により違いはありますが、人身事故の連絡が入ると会社全体が緊急事態となり、近くの駅係員が現場へ急行します。
鉄道は多くの利用客がいますので、早急に事態を解決しなければなりません。
ですから、現場に駆けつけた駅係員が遺体を回収処理するのです。
遺体を処理するのは辛い
鉄道業界の隠語に「マグロ」という言葉があるようです。
不謹慎として現在も使われている隠語かどうかはわかりませんが、人身事故のことを指します。
人身事故のうち、自殺の場合は鉄道会社が「被害者」となります。
実際に遺体回収処理をする駅係員は色々な意味で被害者といえるでしょう。
多くの一般人は、遺体の処理をするなんて経験はないでしょうから。
自殺しようとする者が電車に飛び込めば、急に止まれない電車に衝突し、前面ガラスは映画でしか見ることのないような血の海と化す。
遺体が弾き飛ばされた場合は拾い集めなければならないし、車両の下に巻き込まれた場合はバラバラになり悲惨な状況だとみなさんも想像できるでしょう。
まさに遺体はマグロ状態といいます。
遺体の処理にかかる時間
人身事故の場合の遺体処理は駅係員など鉄道マンがするのですが、遺体の状況は悲惨です。
警察が到着すると現場検証が始まりますが、この際、遺体の全ての部分を集めなければ警察から運行の許可がおりないのだそうです。
遺体が弾き飛ばされた場合、200メートルも先に遺体の一部が飛んでいくというようなこともあります。
また、車両の下に巻き込まれた場合、遺体はバラバラになり、遺体の年齢や性別を特定するのも困難になります。
地下鉄の場合、肉や血が飛び散り壁に付くため、消防を呼んで洗い流す必要があるそうです。
遺体の状態やこれらの処理にかかる時間によれば、2時間や3時間の運転見合わせは仕方がないこととお解りいただけるでしょう。
今回の京阪電車の人身事故をみても7時20分頃の事故発生から9時頃の一部運転再開まで1時間40分という時間がかかっています。
その後、人身事故を起こした車両は検収現場に入り異常がないかを検査することになります。
まだ続く遺体処理
現場検証も終わり、運行が再開されても悲惨に飛び散った遺体の処理は続きます。
検収現場に入った車両は、検査を受けるのですが、同時に汚れを洗い流します。
これも鉄道マンが行う業務。
遺体の身元もわからない「マグロ」なわけですから、肉片や血があちこちに飛び散っています。
これを清掃する鉄道マンは辛いと思いますね。
トラウマになる人もいるでしょう。
人身事故で運行停止になったときに、こういった方たちがいるから私たちが無事電車に乗ることができるということです。