「左ヒラメに右カレイ」
何やら呪文のようですが、良く似た魚であるヒラメとカレイを見分けるポイントです。
ヒラメは左側に目がありますので。
寿司ネタや高級料亭で使われているヒラメは白身の高級魚。
味は淡泊かつ繊細で大変美味しく、胃腸の弱い方にもお勧めの食材です。
といっても天然物のヒラメは漁獲高が少なく、なかなか口に入る代物ではありません。
天然物では、体長1メートル以上のヒラメの釣果記録もあるとか。
養殖技術の向上により、身近にあるスーパーでも販売されるようになってきました。
但し、天然物の方が淡泊で繊細で上品な味です。
背ビレ臀ヒレの付け根部分の身は、縁側(えんがわ)と呼ばれ、脂が乗り、歯応えがあって美味。
肝臓(キモ)も、魚通の間で特に珍重されています。
日本では、ヒラメは19世紀以前にはカレイとの区別ははっきりしておらず、大雑把に、大きいものがヒラメ、小さいものがカレイという分け方でした。
カレイと同じく左右に扁平な(平らな)体型で、パッと見分けるのが難しいですが、「左ヒラメに右カレイ(時には例外もあるかも)」と覚えておけば、まあ大丈夫。
また、ヒラメは口と歯が大きく、英語では「Large-tooth flounders」と表記されます。
刺身や寿司ネタ、酒蒸し、フランス料理の高貴なる魚料理の一品として「舌平目のムニエル」も有名です。
「鯛(タイ)も鮃(ヒラメ)も食うた者が知る」
→百聞は一見にしかず、と同意。「鯛やヒラメが美味しい」と人から口伝えで何度聞こうが、一度食べてその味を知るほど確かなことはない。
タイと並んで賞されるなんて、ヒラメの美味しさも凄いですね。
ところで、「剣豪・沖田総司は決して美形ではなかった」 と言われています。
肺結核で早世したこともあり、アニメや漫画では、色白のか弱い美青年のイメージが定着している感もありますが……
現存する肖像画を見ると、確かに「浅黒い肌の『ヒラメ』顔」。
ですが、この肖像画も「本人」という確証はないそうですから……。
「ヒラメ顔」はともかく、ヒラメは美味しいですよ。
食材データ
種類:魚類
旬の季節:晩秋~冬
主な効能
高齢者、病人の栄養補給
骨粗しょう症予防
美肌効果
栄養成分
ヒラメはカレイと比較すると、カレイより口が大きく、1つ1つの歯が大きく鋭いのが特徴です。
産地によっても差はありますが、日本全体での漁獲高は「10(カレイ):1(ヒラメ)」といわれています。
その漁獲高の差により、天然物のヒラメは、かなり高額で取引されています。
「寒平目」の名の如く、旬は冬です。
ヒラメはカレイと違い、体全体で比較的俊敏に動き、餌を捕らえることができます。
そのため、ヒラメは身が引き締まり、適度の脂が乗った淡泊で上品な味になるのです。
フグにも似た味ともいわれます。
ヒラメの肉はそれほど脂っこくなく繊細な味で消化も良く、高タンパク、低脂肪、低カロリー。
病人や高齢者、胃腸の弱い人にもお勧めの食材です。
但し、天然物と比べると養殖物の方が脂質とタンパク質が多いので、カロリーは高くなります。
疲労回復効果のある「ビタミンB1」、粘膜や皮膚の健康維持に働く「ビタミンB2」も多く含まれています。
また、特筆すべきは、カルシウム吸収率を高める脂溶性の「ビタミンD」が豊富に含まれていることです。
別名「太陽のビタミン」とも呼ばれ、紫外線を浴びることにより体内合成できる唯一の栄養素です。
ビタミンDを摂取することで、骨や歯の強化や骨粗しょう症予防、免疫強化などの効果が期待できます。
ヒラメの「縁側」は、食通をもうならせる美味しい部位。
美肌効果に抜群と言われるコラーゲンをたっぷり含んでいるので女性の方こそ率先して食べたい食材です。
刺身やカルパッチョ、ムニエルなど様々なレシピがありますが、唐揚げにするとお子様でも食べやすくなります。
刺身の食べ残しや、小さな舌平目などを活用しましょう。
健康に良いので常食したいヒラメですが、お財布と相談ですね。
特徴
ヒラメを購入する際は、身が厚く、透明感のある白身で大きなヒラメを選びましょう。
大きな方が味は良いといわれます。
鱗は細かく取りにくく、皮は厚みがあり、骨はやや硬いですが細かい小骨はありません。
熱を通しても身が硬く締まりません。
生食するほか、煮つけや塩焼き、フライに唐揚げ、ムニエルにソテーと多種多様な調理法が考えられます。
漁獲高がカレイよりかなり少ないため、ヒラメは「高級魚」とされていますが、別の説もあります。
日本料理の基本に「魚の頭を左に向けて出す」というのがありますが……「左ヒラメに右カレイ」なので、ヒラメはそのまま皿に載せて出せます。
が、カレイはそうはいかない。
本来あるべき頭(顔)部分が右側方向へそっぽ向いているのですから。
こうした点からも「ヒラメの方がカレイよりも高級魚」とされた所以だそうですよ。
種類
アメリカ、中国、ロシア、韓国などで漁獲されます。
国内では天然物、養殖物がありますが、青森県、北海道、長崎県、茨城県などで漁獲されます。
ヒラメ、コケビラメ、イトヒキガンゾウビラメ、ガンゾウビラメなどの種類があります。
レシピ
縁側の刺身
鱗が取りにくい。
小さいヒラメはブラシやタワシで。
大きなヒラメは包丁ですき引く。
生食のヒラメは旨味と独特の食感が楽しめる。
残ったものは唐揚げにしても。
舌平目のムニエル
塩胡椒と小麦粉をまぶし、バターでじっくりとソテーする。
舌平目は、フランス料理で最も調理される「高貴な魚」の一つに挙げられる。
その理由は、フランス国王ルイ14世の宮廷で振る舞われ、非常に評判が高かったから。
肉には赤ワイン、魚には白ワインが定番だが、舌平目のムニエルに合うワインは「サンセール」という白ワインだそう。
ヒラメ【平目】 淡白かつ繊細で美味。胃腸が弱い人にもお勧め まとめ
「寒平目」という名の通り、旬は冬。
産卵期が終わり、餌を食べて脂が乗る冬に獲れるヒラメを「寒平目」と呼び、大変美味しい白身魚です。
ヒラメの肉は繊細で上品。
淡泊な味で消化も良く、病人や高齢者、胃腸の弱い人にもお勧めです。
「ビタミンB1」、「ビタミンB2」も多く含み、また、「太陽のビタミン」と呼ばれる「ビタミンD」が特に豊富に含まれており、骨や歯の強化や骨粗しょう症予防、免疫強化に働きかけます。