ハクサイはアブラナ科アブラナ属の二年生植物。
生のハクサイはシャキシャキした食感が歯触り良く、鍋料理で煮込むとトロリとなって甘く食べやすくなり、日本においての冬野菜として欠かせない食材です。
癖のない微かな甘みを持つ味で、漬物、鍋料理、餃子の具、サラダ、スープ、野菜炒めの具材として重宝します。
キャベツと成分が似ていますが、糖質がキャベツより少なくカロリー値も非常に低い(100g当たり約14kcal)ので、肥満や高血圧の予防、また、ダイエット食材としても活用できます。
原産地は中国北部。
カブと漬け菜類(チンゲン菜など)が自然交雑してできたものが、栽培種のハクサイの原形になったといわれています。
白菜の英名も由来を示す通り、「Chinese cabbage(中国キャベツ)」です。
中国では「豆腐」、「大根」、「白菜」を「養生三宝」と呼び、健やかな体の維持に必要な食材と認識されています。
ハクサイは育つにつれ、白い部分が太くなっていくので「白菜(ハクサイ)」と呼ばれます。
日本に渡来したのは1875年(明治8年)で、本格的な普及が始まったのは、日清戦争(1894~1895)、日露戦争(1904~1905)の頃です。
食材データ
種類:葉菜類
旬の季節:冬
主な効能
整腸、暖下作用
便秘改善
ビタミンC補給
栄養成分
薬膳の考え方において、ハクサイは「味は甘く」、性質は「身体の熱を取る」に分類されます。
ハクサイは水分が多い野菜でありながらも、ビタミンCやビタミンKなどのビタミン類、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類のほか、食物繊維などの有効成分をまんべんなく含みます。
薬膳においては、ハクサイが胃腸に溜まった熱を取り去るので便秘などに効き、消化器系統を正常にするとされます。
ビタミンCはハクサイ100グラム中に約22㎎含まれており、不足しがちな冬場のビタミンC補給に最適な野菜です。
ビタミンCは熱に弱いので、ハクサイを生で食べる方が栄養分を多く摂り込めますが、生のハクサイは体を冷やす性質があるので、冷え性の方にはお勧めできません。
ハクサイには、味覚を正常に保ち、生殖機能を維持する効果がある「亜鉛」や、貧血予防効果や食道ガンの予防効果があるとされる「モリブデン」、貧血防止に効く「鉄」、骨に必要な成分の「カルシウム」などのミネラル類も含まれています。
また、ハクサイに含まれる「ジチオールチオニン」という成分が、発ガン物質の働きを抑制する酵素を活性化します(発ガン抑制効果がある)。
豊富に含まれる食物繊維が消化器機能を高めるので、便秘解消や整腸に働きかけます。
肉中心の食生活では大腸ガンリスクが高いとされますし、すき焼きの中に大量のハクサイを投入し、肉と一緒に頬張れば、甘辛い肉汁をたっぷりと含んだハクサイとの相性も抜群ですし、整腸にも効果的ですよね。
白菜は95%が水です。
鍋料理で煮込めばかさも減り、大量に食べられますが、生でハクサイを食べたのに比べ、茹でたハクサイでのビタミンC摂取量では、その半分しか摂れません。
ビタミンCを余さずに吸収したい方にはハクサイのぬか漬けをお勧めします。
ビタミンCの量は保たれたまま、ビタミンB1やビタミンB2が増え、整腸作用も強化されます。
キムチもお勧めのレシピです。
唐辛子が多く使われているので、「カプサイシン」による脂肪分解効果が期待され、ダイエット成功の第一歩となるでしょう。
特徴
ハクサイの旬は冬です。
霜に当たると甘くなり、更に美味しくなります。
日本では加熱調理が多いですが、アメリカでは主にサラダ用途です。
購入する際は、白い筋の部分に艶があるものを選びましょう。
葉は青々としており、黄ばみが無いものが良品です。
白菜に黒い斑点が出ているのは「ゴマ症」と呼ばれる現象で、白菜の栄養分が多いときに出るそうです。
食べても害はありません。
ハクサイの部位により、調理法を変えましょう。
固めの外葉は、炒め物やロールハクサイなどに。
柔らかい内葉は、鍋料理に。
葉先や特に柔らかい中心部はサラダに。
芯も鍋料理やスープに利用できます。
種類
中国、韓国から輸入しています。
国内の産地では、茨城県、長野県、北海道、群馬県、愛知県などです。
中国では「山東系」、「北方系」、「南方系」の3系統8群があり、日本では「山東系の3群」が定着しています。
円筒型、砲弾型、半結球型、不結球型 、ミニハクサイ、ハクランなどの種類があります。
レシピ
白菜と豚肉の重ね蒸し
土鍋の中で豚肉と白菜を交互に重ね、出汁や調味料を入れて蒸した料理。
和風にするなら、出汁を昆布や鰹やアゴ出汁で。
洋風レシピにするなら、コンソメでも美味しくできる。
白菜のクリームシチュー
小麦粉を炒めるルゥを作る手間を省き、牛乳ベースのあっさり味のクリームシチューを作ろう。
シチューに入れる具材は「ハクサイ+お好みの野菜」を。
ハクサイ【白菜】 豊富に含まれるビタミンCを逃さぬ調理法を! まとめ
生のハクサイはシャキシャキとした食感が楽しめますし、鍋料理でじっくり煮込むとトロリと甘くなって食べやすく、日本の冬の食生活には欠かせない定番野菜です。
癖のない味なので、漬物や鍋料理に始まり、餃子の具やスープなどのどんな料理にも応用が利きます。
糖質が少なく、カロリー値も低いのでダイエット食材としても利用できます。
95%が水分ですが、ビタミンやミネラル類をまんべんなく含む栄養食材でもあります。
加熱調理することが多いですが、ビタミンCは熱に弱いです。
生のハクサイと加熱調理したハクサイを食べたときのビタミンC摂取量を比較すると、加熱調理したハクサイでは半分ものビタミンCが壊れてしまいます。
生で食べるのがビタミンCを余すことなく摂るのにお勧めですが、生ハクサイは体を冷やします。
漬物やキムチにして食べるのが良いでしょう。