グアテマラコーヒーの歴史
グアテマラでコーヒーの栽培が開始されたのは、スペイン統治時代の1750年代のことです。
イエズス会の修道士がコーヒーを持ち込んだことがきっかけとなります。
しかし、グアテマラのコーヒーが普及するのは、100年以上たってからのことです。
スペインからの独立を経て、1860年代に入ったころに栽培が本格化されました。
さらに、1969年になると、「ANACAFE(アナカフェ)」という、グアテマラ国立のコーヒー生産者協会が設立されます。
品質向上に関する研究や生産管理、世界に向けてのマーケティング活動などを行いながら、グアテマラコーヒーの生産を支えています。
現在のグアテマラは、中米ではメキシコに次いでコーヒーの生産が盛んな国となっています。
世界的に見ると第10位ですね。
国土の約7割が山岳地帯という地形のため、高標高の山の斜面で日陰栽培されるコーヒーが多いことが特徴です。
グアテマラのコーヒー豆の品種と銘柄
グアテマラのコーヒー豆の品種は、アラビカ種がメインとなっています。
中でも、アラビカ種から派生したティピカとブルボンが、グアテマラコーヒーの2大品種として知られています。
ティピカ
アラビカ種の中でも原種に近い豆です。
栽培が難しく、生産が安定しないことから希少価値がつき、高級品として扱われます。
香りが高く、上品な酸味と甘味が楽しめますね。
ボディもしっかりとしていますが、コクが少し控え目です。
ブルボン
ティピカの突然変異種で、栽培の難しさをそのまま引き継いでいるうえに、収穫が2年に1度という生産性の低さが特徴です。
しかし、香りの高さと甘みの強さはティピカ以上とも言われています。
実を完熟させると、さらに風味が変化することも人気を呼んでいます。
また、グアテマラにはANACAFEが定める8つの有名生産地があります。
とくに、グアテマラコーヒー生産発祥の地である「アンティグア」が、品質の高さと伝統の面で有名ですね。
代表格のブランドとして扱われています。
グアテマラのコーヒー豆の処理法
グアテマラのコーヒー豆は、ウォッシュド製法で処理されています。
果肉を取り除いた後で水洗いして、天日乾燥させる流れですね。
大規模の農園は、自前の水洗設備で行いますが、中小規模の農園は共同の施設で行っています。
グアテマラのコーヒー豆の等級付け
グアテマラコーヒーの等級付けは、産地の標高で決まります。
高い標高であるほど栽培条件が厳しくなりますが、品質も高くなると言われています。
全部で7等級に分類され、最下級は標高600m以下のものです。
最高等級は、標高1350m以上で栽培された豆ですね。
最高等級の証である、「SHB(ストリクトリー・ハード・ビーン)」の名称が与えられます。
2等級は1200~1350mで栽培される「HB(ハード・ビーン)」、続いて3等級となる1050~1200mの「SH(セミ・ハード・ビーン)」のように、150mごとに区切られた等級付けがされています。
グアテマラのコーヒー豆の味と焙煎法
高い標高で栽培されるグアテマラのコーヒーは、優れたコクと甘みが特徴です。
もともと、ブレンドのベース豆としての使用が多かったのですが、近年はスペシャリティコーヒーとしても名を上げています。
焙煎方法としては、酸味を際立たせる〈中焙煎〉と〈中深焙煎〉が人気です。