エチオピアコーヒーの歴史
エチオピアは、アラビカ種のコーヒーノキの原産地と考えられています。
お茶として飲み始められた由来は諸説ありますが、9世紀ごろに、ヤギ飼いが始めたという言い伝えが有名です。
コーヒーノキの果実をヤギが食べていたことがきっかけで、茹でて飲料にするようになりました。
その後、アラビアを始めとした諸国に伝わったとされています。
現在のエチオピアではコーヒーの生産が主産業です。
世界第7位の生産量で、経常収入の6割を占めています。
1億人を超える人口のうち、国民の5人に1人が何かしらの形でコーヒーの産業に関わっていて、生産量の半分が国内で消費されているほどのコーヒー大国です。
エチオピアのコーヒー豆の品種と銘柄
アラビカ種の原産地であるエチオピアのコーヒーは、古くから「モカ」という呼び方がされます。
古代イエメンの港の名前で、モカ港から、エチオピアのコーヒーが世界中に広まりました。
そのため、エチオピアコーヒーにもモカの名前が与えられたのですね。
現在では、エチオピア産のコーヒーは、「モカ・シダモ」や「モカ・イルガチェフ」といった産地ごとの名前と合わせて販売されます。
エチオピアコーヒーは自然林として栽培されているため、古くから原種の交雑が行われ、多種類の品種が混ざっています。
そのため、品種の特定が難しいとされています。
モカ・シダモ
エチオピアのシダモ地方で収穫されたもので、エチオピアコーヒーの代表格と言っても過言ではない豆です。
モカ独特のフルーティーな香りと酸味が特徴で、甘くまろやかな味わいも感じられます。
モカ・ハラー
エチオピア東部の高地にあるハラーで栽培されるもので、世界最古のコーヒー豆の一つとも言われています。
酸味はややマイルドで、苦味も少ないことが特徴です。
深いコクと芳醇な香りと一緒に楽しみましょう。
モカ・イルガチェフ
エチオピアのシダモ地方にある、イルガチェフ村で栽培された豆です。
とくに香り高いことで有名で、ベリーのような香りとも花のような香りとも評されます。
味わいとしては甘みが強いため、コーヒーの苦味が苦手な人でも飲みやすいタイプとなっています。
エチオピアのコーヒー豆の処理法
エチオピアのコーヒー豆は伝統的な手作業で処理されること多く、実を天日で乾燥させた後に果肉を取り除く、「ナチュラル製法」が継続しています。
基本的に非水洗式が多いですが、豊富な水源に恵まれるイルガチェフは、果肉の除去と発酵が終わった後に洗浄して乾燥させる「ウォッシュド製法」が主流です。
エチオピアのコーヒー豆の等級付け
エチオピアのコーヒー豆は、300gという基準量中の欠点豆の数で決められます。
欠点豆が少ないほど、グレードが高いとされG1が最高となります。
ナチュラル製法が継続しているエチオピアでは、欠点豆の混入が多いことから「G9」までのグレードが存在します。
海外に輸出されるのは、主にG5以下の上質なもので、日本にはG4以下のものしか入ってこないと言われています。
エチオピアのコーヒー豆の味と焙煎法
エチオピアのコーヒー豆の味の最大の特徴は、酸味と上質な甘みです。
そこに、フルーティーな香りが加わります。
とくに近年では、モカ・イルガチェフが世界的に評価されています。
焙煎法は、中焙煎や中深焙煎が選ばれることが多いですね。