普段飲んでいるコーヒーに、ニコチン酸によって善玉コレステロールが上昇する理由が解明されつつあるを予防する効果があるらしいということが様々な研究で分かってきました。
心筋梗塞も脳梗塞も、血管に血の塊が詰まって（血栓ができて）起きる病気です。
結果として心臓や脳という大切な組織に十分な酸素が行き渡らなくなり、大変な事態になることが多くなっています。
つまり、血栓の生成を防ぐことが予防の第一歩ということになりますが、興味深い研究が東海大学医学部の後藤教授のグループによって行なわれました。
コーヒーはアスピリンより効果的なのか！？
これはマウスを用いた実験ですが、コーヒーを飲むことで血の塊が血管に詰まりにくくなるというデータが得られました。
この効果はかなり強力で、アスピリンという心筋梗塞の再発を防止するために使用される薬よりも効果的だったということです。
つまり、コーヒーを飲んでいる人のほうが、そうでない人に比べて心筋梗塞や脳梗塞になりにくいということになります。
この効果をもたらしているのがコーヒーのどの成分なのかということも研究が進んでいるようです。
血液をサラサラにする効果
コーヒーには特にニコチン酸というナイアシン（ビタミンB3とも呼ばれます）が含まれていますが、これが有効成分になっていると言われています。
ニコチンといってもタバコなどに含まれるニコチンとはまったく別物で、タバコに含まれるニコチンというのはアルカロイド（植物毒）の一種で、タバコのほうは心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めると言われています。
カリフォルニア大学の医学部で行なわれた研究では、このニコチン酸を多めに摂ると血液がサラサラになり、血管の弾力も増すという結果が出ています。
実は、このニコチン酸はかなり前から、中性脂肪を低下させて善玉コレステロールを増やすための薬として使われてきました。
悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす
悪玉コレステロール（LDL）や善玉コレステロール（HDL）、中性脂肪という言葉は最近ではよく知られるようになりました。
悪玉コレステロールは、細胞内に取り込まれることがなかった余剰分のコレステロールを血管内に放置する作用があり、これが動脈硬化の原因となります。
動脈硬化の状態になると、心筋梗塞や脳梗塞、狭心症や閉塞性動脈硬化症、高脂血症といった病気へとつながっていってしまいます。
その一方で善玉コレステロールのほうは、血管の内壁にへばりついて動脈硬化を引き起こすコレステロールを引き抜き、それを肝臓まで運ぶ作用があります。
つまり、心筋梗塞の予防または再発を防ぐには悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすのが有効ということになります。
最近の研究では、ニコチン酸は善玉コレステロールが動脈硬化の原因となるコレステロールを引き抜く時のキーとなる分子の発現を増やす、ということが分かっています。
こうして、ニコチン酸によって善玉コレステロールが上昇するメカニズムが解明されつつあります。
健康には深煎りがおすすめ
コーヒーにはこの心筋梗塞の予防や再発に効果があるとされるニコチン酸が豊富に含まれていることは先述したとおりです。
この成分は中煎り程度から増加してゆき、深煎りが最も多くなります。
ですから、ニコチン酸をしっかり摂りたいという場合には深煎りがおすすめです。
焙煎度で言えば、フルシティローストからフレンチローストあたりがおすすめです。
これら深煎り豆は比較的長時間の焙煎によって、苦みやコクが充分に引き出されています。
ちょうど美味しいところですね。
アイスコーヒーやエスプレッソにも最適の焙煎度です。
ミルクとの相性も良くカフェオレにもたいへんよく合います。
ですが、健康も意識してコーヒーを楽しみたいと思うなら、砂糖やクリームを入れるのはあまりおすすめできません。
摂取カロリーが増加して、せっかくの効果もほとんど得られなくなってしまうかもしれません。
ぜひ、グレードが高く新鮮な豆でコーヒーをお楽しみください。
そうすれば、コーヒーそのものの美味しさが十分に味わえ、ミルクや砂糖はかえってコーヒーの味わいの邪魔になるということに気づくかもしれません。
アイスコーヒーの場合も、焙煎したての深煎りコーヒーを使って淹れたのは、市販のアイスコーヒーとは比べものにならないほど美味しく、ブラックの良さを感じることができます。
コーヒーは薬よりも効果的なのか！？～心筋梗塞と脳梗塞の再発を予防する～まとめ
ここで一つ注意点ですが、お医者さんからコーヒーを控えるようにと指示されている場合は、お医者さんの指示に従うようにしてください。
飲んでいる薬との相性などもありますのでご留意いただきたいと思います。
では、最高のコーヒーを淹れてほっと一息ついてみましょう。
実はその1杯は健康にもよいのです。
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