セロリとは、セリ科オランダミツバ属の淡色野菜です。
別名に「オランダ三つ葉」などがあります。
原産地は地中海沿岸地域とされています。
古代ギリシャ、古代ローマ時代には薬効のある野菜と考えられ、強壮剤、整腸剤、香料などに使われていました。
16世紀頃までは薬用植物としての栽培しかされていなかったセロリ(ヨーロッパでは精神安定剤として使われた)ですが、17世紀に入り、フランスで食用として栽培されるようになりました。
日本に伝わったのは16世紀末頃といわれています。
朝鮮出兵の際、加藤清正が東洋種のセロリを持ち帰ったことが縁で、「清正人参」と呼ばれました。
江戸時代になり、オランダ船により西洋種のセロリが伝わりました。
これは「オランダ三つ葉」と呼ばれましたが、独特の強い香りが受け入れられず、定着しませんでした。
第二次世界大戦後、食文化の洋風化が進んだため、食用の野菜として徐々に定着していきました。
民間伝承(おまじないとしての使用法)に、「種子を噛むと集中力が高まる」、「枕に使うと眠りを誘う」、「茎(及び種子)を食べると性欲が湧く」などとされています。
面白いのは「箒に乗って空を飛ぶ前に魔女がセロリを食べるのは、目が回って空から落ちないようにするため」なんていうのもあります。
食材データ
種類:葉菜類
旬の季節:冬~春
主な効能
強壮、強精作用
貧血、肝臓病、血栓症の予防と改善
栄養成分
セロリは、ヨーロッパでは古くから「薬草」として用いられていました。
古代ギリシャの医者はセロリを万能薬と信じ、「利尿剤」、「解熱剤」、「胃薬」、「催淫剤」などに活用していました。
「セロリの効き目を一度知れば、男は庭いっぱいにセロリを植えまくるだろう」というのはフランスの俗諺です。
セロリにはビタミン群と共にミネラル分も含まれていますし、民間伝承にも「茎や種子を噛むと肉体的に高揚する」といわれていますから、セロリの強壮効果も期待できるというものです。
セロリは、美容に欠かせないビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCの他、骨や歯、筋肉や血液に欠かせない要素であるマグネシウムや鉄分を多く含んでいます。
これらの効果が合わさることで、「貧血改善」、「美肌作り」、「生理不順や更年期障害の改善」に働きます。
また、含有成分にメチオニンがありますが、動物性食品に比べれば少量です(因みに、メチオニンは肝機能強化やアレルギー症状の緩和に効くとされる)。
セロリは、パセリと共に、セリ科の代表的野菜の一つです。
ピラジンという成分を含み、血液サラサラ効果に関係があるのではないか? と研究されています。
研究のきっかけは漢方薬からです。
漢方では、「利尿作用」、「浄血作用」、「血圧を下げる作用」、「鎮静効果」、「けいれんを治める」などの作用が認められています。
ビタミン群ではビタミンK、ミネラル群では、カリウムの成分が高いです。
ビタミンKは脂溶性ビタミン。
葉野菜に多く含まれています。
血液凝固作用に関係があることから、「止血のビタミン」とも呼ばれています。
また、骨の健康を保つビタミンとしても注目されています。
カリウムは、ナトリウムの排出を促すミネラル成分です。
むくみや高血圧の予防に働きかけます。
セロリに含まれる豊富な食物繊維が、腸内環境を整えてくれます。
セロリが苦手な方には、「あの独特の香りが駄目」という方が多いのではありませんか?
セロリにはおよそ40種類もの香り成分が含まれており、神経を鎮めて安定させ(頭痛の緩和など)、食欲を増進させる効果があるとされます。
生セロリをバリバリ齧るのが苦手なら、漬物や炒め物にして食べ易くするのも一つの手です。
但し、加熱しても香りはなくなりません。
特徴
独特の強い香りがあるため、好き嫌いがはっきり分かれる野菜です。
アメリカではセロリの強い香りが大変好まれています。
セロリの栄養素であるビタミン群とミネラル群は、「茎」よりも「葉」に多く含まれています。
葉に含まれる「フタライド類」という成分を加熱して蒸らすことで、それが旨味に変わります。
「葉に黄色い変色部位がなく、鮮やか緑色をしているもの」、「葉に艶と張りがある」のが鮮度の良いセロリです。
茎は内側に丸くなり肉厚なものを選びましょう。
セロリを保存する際は、葉と茎を切り離してから。
ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
セロリをサラダにする場合、しばらく冷水に浸しておけば、パリッと小気味の良い食感と爽快感のある香りが一段と楽しめます。
食感が悪い場合は、セロリの茎のスジを取りましょう。
食べ残したセロリの葉を天日干ししたものや、細かく刻んだものを布袋に入れて湯船に入れると、湯冷めが防げ、疲れがとれるといわれています。
種類
海外の産地は、アメリカやタイなど。
日本では、長野県、福岡県、静岡県、愛知県、茨城県、北海道などです。
大きく分けて、中間種、緑色種、黄色種、東洋在来種の4品種があります。
中間種には「コーネル619」、緑色種には「グリーンセロリ」、東洋在来種には「キンサイ(芹菜)」があります。
日本で流通しているセロリは、味も香りもマイルドな「中間種」です。
レシピ
セロリの漬物
セロリを調味料に浸ける。
セロリの香味が苦手な方も比較的食べやすい。
ビニール袋を使用して作れば、時短で簡単に漬物が出来上る。
調味料に出汁(昆布出汁、白出汁)を加えれば、更に旨味が引き出される。
セロリのスープ
セロリをスープに使えば、ダイエットにも。
セロリの独特の香りが大好きな人向けのレシピ。
スープに葉を入れて煮込めば、出来上がりには香りとコクが何倍にも増している。
セロリ 独特の強い香りが、精神安定と食欲増進に効く まとめ
セロリにはビタミン群と食物繊維が多く含まれ、美肌作りと良い腸内環境作りに働きかけます。
ミネラル分が、貧血改善や生理不順の改善に働きます。
独特の香りが精神を安定させ、食欲を増進させます。
「最近、ストレスが多くてイライラ。あまり食欲も湧かないし」という方にお勧めの食材です。
苦手でないなら、生でバリバリと。
苦手な方は、漬物などに加工すると食べやすいです。