ブドウは、ブドウ科ブドウ属に属するツル性落葉低木植物及び、その果実のことです。
世界で最も多い生産量を誇る果物の中の一つで、そのまま食べるほか、加工品(干しブドウ、ジャム、ジュース、ワインなど)としても良く食べられています。
ワインを原料としたワインビネガーも製造されています。
ブドウの歴史は古く、およそ1億4300~6500万年前には出現していたとされ、古代エジプトの壁画などにも描かれています。
ブドウを使ったワイン醸造は早くに始まり、「クレオパトラの涙」とも呼ばれる「グルジアワイン」は、クレオパトラも愛したといわれるブドウ酒です。
ブドウ酒の作り方はいたって簡単。
ブドウの房を潰して容器に入れておけば、果皮に常在する菌の力で発酵してくれるそうです。
ブドウ酒(ワイン)は、聖体拝領(プロテスタントでは聖餐)でいただく「キリストの血」であると認識され、最も神聖であり、深い感謝を持って拝領します。
この考え方は、「聖餐論(せいさんろん)」と呼ばれています。
大昔、ブドウ酒を作る時には「穢れ無き乙女たち」が素足でブドウを踏んで作っていました。
なぜ「穢れ無き乙女たち」でなければならないかというと、「女性に対する神秘性」、「神聖的に受け継がれてきた伝統」、「穢れ無き乙女でなければ、酒の神『バッカス』が全ての酒を腐らせてしまう」などの観念が元になっていると考えられます。
「バッカス(またはバックス)」はローマ神話のワインの神。
ゼウス神とテーバイ王カドモスの娘セメレの子とされ、人間にブドウの栽培(と共に「狂乱」)を教えつつ、苦難の旅の末、母親と共にオリュンポスの神々の列に加わります。
「ワインの神」であると同時に、「狂乱の神」でもあるのです。
「酒は飲んでも飲まれるな」ということでしょうか。
ワインを意識してか、ブドウの花言葉には、「陶酔」、「酔いと狂気」などがあります。
食材データ
種類:果物類
旬の季節:夏~秋
主な効能
疲労回復
ガン予防
利尿作用
むくみ改善
栄養成分
ブドウに主に含まれているのは「ブドウ糖」と「果糖」です。
これらの含有量は、果物の中でも断トツです。
ブドウ糖はブドウに多く含まれていることから名付けられました。
脳にとってはブドウ糖が唯一のエネルギー源だといわれています。
点滴のブドウ糖は、「5%ブドウ糖液」です。
脱水時の治療の水分補給目的で行われる処置であり、栄養にはなりません。
ブドウ糖を含む液体を経口摂取できるのであれば、点滴は必要ありません。
そのため、ブドウの健康効果には、主に「ブドウ糖による疲労回復効果」が挙げられます。
鉄、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル群、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン群も含まれています。
視機能の改善効果や生活習慣病の予防と改善、老化予防などへの様々な働きかけに期待できます。
特に多く含まれるのは銅とカリウムです。
銅には、「貧血予防」、「免疫力アップ」、「髪や肌の健康維持」などの作用があります。
カリウムはナトリウムの排出を促し、「高血圧予防」、「むくみの改善」などの作用があります。
総合的な観点から見ると、「栄養剤としての果物」とも考えられます。
クエン酸を始めとする有機酸はそれほど多く含まれているわけではありませんが、胃液の分泌を促し、食欲増進剤として働きかけることでしょう。
ブドウに含まれるポリフェノールの一種である「レスベラトロール」は抗酸化力を持っており、「細胞の酸化を防ぐ」、「肌の弾力を保つ」、「メタボリックシンドローム予防」などに効果があると期待されています。
レスベラトロールは特にブドウの皮に多く含まれているので、効果的に摂り入れるためには「ブドウを皮ごと」食べる方が良いのだとか。
一説には、レスベラトロールがガン予防に効果的とも言われています。
ブドウを皮ごと食べるには、「干しブドウ」、「赤ワイン」、「生ジュース」などに加工する方法が考えられます。
「干しブドウ」は、「生ブドウ」より栄養分が凝縮されており、皮まで余さずに食べられるので栄養分の取りこぼしがなく、まさに一石二鳥です。
「干しブドウ」には、ポリフェノール、カリウム、鉄、リンなどの栄養素が凝縮されて詰まっており、干しブドウを毎日10粒ほど食べることで貧血予防にもなります。
イギリスの民間療法として、熟したブドウの実の汁を「疲労回復」や「不眠症」、「むくみ改善」の民間療法として用いたそうです。
特徴
ブドウの粒の表面には、「ブルーム」と呼ばれる白い粉が付いています。
熟した新鮮な果実に良く見られる現象で、人体には無害です。
「ブルーム」は「果実の水分蒸発防止」、「病気から実を守る」という役割があります。
ブドウを購入する際には、「茎が太い」、「粒が揃って茎に付いたまま」、「皮に張りがある」などが美味しいブドウを手に入れるための目安になります。
保存の際は、(袋などに入れ)冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
水に浸けると傷みやすくなりますので、洗うのは食べる直前にしましょう。
種類
ブドウ生産国には中国、イタリア、アメリカ、スペイン、フランスなどがあります。
国内では、山梨県、長野県、山形県、岡山県などが挙げられます。
品種には、「巨峰」、「デラウェア」、「ピオーネ」、「キャンベルアーリー」、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」、「甲州」などがあります。
レシピ
ブドウジュース
デラウェアなどの黒色系ブドウジュースを始め、白ブドウジュースなどの果汁オンリーで作ったジュースは、甘くて口当たりが良く、とても人気がある。
最近では、「低速圧縮スロージューサー」などの良品があるので、手作りのブドウジュースも簡単に作れるようになった。
ブドウゼリー
市販の物にはブドウ果実丸ごとゼリーなどの商品がある。
手作りの場合は、ブドウジュースを使えば簡単。
ワインを加えれば、大人向けのお洒落なデザートに。
ブドウ【葡萄】 単糖類が素早く吸収され、優れたエネルギー源に まとめ
ブドウには、抗酸化力を持つ「レスベラトロール」などのポリフェノールを始め、ミネラル類、有機酸、ビタミン類などの様々な有効成分が多く含まれています。
体内に吸収されやすい単糖類である「ブドウ糖」や「果糖」が豊富です。
「ブドウ糖」や「果糖」は体内で素早くエネルギーに変わります。
「ブドウ糖」は、脳にとっては「唯一の栄養源」です。
ブドウを食べることにより、「疲労回復」、「生活習慣病予防」、「老化予防」などに効果があると考えられます。