ブラジルコーヒーの歴史
ブラジルのコーヒー栽培は、1727年から始まりました。
アメリカ大陸にはコーヒーがなかったため、原産国のエチオピアから持ち込まれました。
1960年代には南部のパラナ州での生産が主でしたが、霜の被害が大きい地域でもあったため、1970年代からミナス・ジェライス州へと生産地が移されたと言われています。
ブラジルではファゼンダと呼ばれる大規模なコーヒー農園で、150万人以上の奴隷の労働力を利用して栽培を行っていたことから、生産量は凄まじいものとなりました。
1850年代以降から、奴隷制度が廃止された現在に至るまで、ブラジルは世界第1位の生産量を維持しています。
しかし、生産量が伸びるあまり、品質が低下するという問題にも直面しました。
近年になって管理が見直されるようになり、ブラジルコーヒーの品質も安定したと言われています。
現在のブラジルコーヒーは、高級志向ではなく、誰でも楽しめるポピュラーさが売りとなっています。
ブラジルのコーヒー豆の品種と銘柄
アラビカ種の原産国であるエチオピアから持ち込んだとあって、ブラジルで生産されるコーヒー豆は、約7割がアラビカ種で占められています。
残りの約3割がロブスタ種ですね。
ブラジルのコーヒーは「ブラジル」という名称で呼ばれます。
とくに輸出される港の名前にちなんだコーヒーは、「ブラジル・サントス」という銘柄で知られています。
他の銘柄では、「カドテアズール」や「ムンドノーボ」などがあります。
ブラジル・サントス
ブラジルにある南米最大の港、サントス港を通して出荷されるコーヒーに与えられる名称です。
ブラジル中の豆が集まることから安価で、ブレンドに用いられることが多い銘柄となっています。
酸味や苦味などの味のバランスが良いことが特徴です。
カドテアズール
アラビカ種の一種で、豊かな風味が特徴の豆です。
高級品種に分類されるもので、ブラジルのブルーマウンテンの名称が与えられています。
ムンドノーボ
1950年から栽培され始めた、比較的新しい豆です。
爽やかな酸味と、ほどよい苦味が特徴で、ブラジルでは珍しい水洗式で精製されるタイプの豆となっています。
ブラジルのコーヒー豆の処理法
ブラジルでは、コーヒーの実を天日乾燥させた後に、果肉を取り除く「ナチュラル製法」が主流です。
ブラジル産のコーヒーの9割が、この製法で精製されています。
処理の不具合が最終的な品質に直結するため、繊細な豆の扱いが求められます。
ブラジルのコーヒー豆の等級付け
ブラジルのコーヒーは、豆の大きさと欠点豆の少なさ、カップテストを経て7つの等級に格付けされます。
最も高いのが「No.2」で、そこから「No.3」「No.4」と下がっていきます。
興味深いのは、「No.1」が存在しないことですね。
欠点のない豆は有り得ないことから、制定されなかったと言われています。
ブラジルのコーヒー豆の味と焙煎法
日本で最も多く飲まれているのは、ブラジルのコーヒー豆です。
馴染み深く、酸味と苦味のバランスが整っていることが特徴です。
安定感のある味を求めるのであれば中焙煎、深い苦味を演出したい場合は中深焙煎がオススメです。