「牛肉」とは、食用に処理された牛の肉のこと。
牛は、ほぼ全ての部位を食べることができ、加熱してステーキとして食べるほか、青椒肉絲などの中華料理にも良く利用されます。
通常、「60℃以上に加熱、または-10℃以下で10日以上冷凍した肉は安全」と定義されています。
西洋料理では「カルパッチョ」のように、薬味を添えて牛肉を生食する習慣のある国もありますが、生肉には常に食中毒の危険が伴います。(新鮮な肉だから安全、というわけではない)
牛肉は、冷凍庫で凍結させれば長期保存できる食材です。
家庭用冷蔵庫の冷凍庫であれば半年、業務用冷凍庫であれば1年は保存が可能と言われます。
日本の戦国時代には、キリスト教イエズス会の宣教師、キリシタン大名を始めとして、牛が食べられており、豊臣秀吉も細川忠興らの武将と共に牛肉を食べていたそうです。
江戸時代には、農民が鉄砲などで捕獲した害獣の猪や鹿などを江戸へ運ぶほか、牛肉等も売って庶民に提供していました。
本格的に牛肉が食用としての位置を得たのは、明治の文明開化以降です。
牛鍋(今でいう「すき焼き」)として流行しました。
和牛は高値という意識が強く、なかなか食卓に上りにくい食材でしたが、1991年4月からの「牛肉の輸入自由化」により、国外から安い牛肉が入手可能になりました。
そのため、一般家庭の食卓にも度々、牛肉を使った料理が並ぶようになりました。
食材データ
種類:肉類
旬の季節:一年中
主な効能
冷え性の改善
抗うつ作用
栄養成分
牛肉は、動物性タンパク質、鉄、ビタミンB群などに富む食材です。
必須アミノ酸も十分に含んでおり、漢方でも「肉は胃腸の働きを補い、筋力を益し、排尿を促す」などと言われるそうです。
牛肉を食べると筋肉がつきやすくなり、代謝の向上につながります。
特に赤身肉が脂肪燃焼を促してくれます。
「肉を食べているのにスリムな体型の人」というのは、代謝サイクルが上手くいっている人のことなのです。
牛肉には、ビタミンB2や鉄分も多く含まれています。
ビタミンB2はエネルギー代謝に関わりのある栄養素ですし、鉄分は血液を作ってくれます。
赤身の肉には造血作用のある鉄分が豊富に含まれていますし、肉を食べれば消化するために多くのエネルギーを使います。
これにより代謝が上がり、体が温まります。
病気の回復期にある人に「牛肉スープ」などはいかがでしょう。
但し、肉は消化に時間がかかるので、胃腸の弱い方には牛肉を柔らかく煮込むなどの工夫が必要です。
「沖縄県民1日の肉類摂取量が全国平均の1.3倍なので、長寿者が多い」と主張する説もあるそうです。
但し、これは一概には言えないでしょう。
なぜなら、豆腐やシイタケ、昆布や野菜等々、健康食と言われる食材も、沖縄県民が全国平均よりかなり上回って摂取しているからです。
ですが、牛肉が我々にとって必要な栄養食であることは間違いありません。
例えば、鬱病の人は、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった「神経伝達物質」が不足しているのですが、これらは全てアミノ酸が主原料です。
牛肉には、必須アミノ酸が豊富に含まれています。
漢方学から言えば「鬱」は「冷え」からくる病気とのことですが、これは即ち、「代謝サイクルが上手く働いていないから」とも言い換えられます。
身体を温めるには、手の平大の赤身肉を1日1枚食べると良いとされます。
牛肉に豊富に含まれる鉄分とビタミンB12は造血作用があり、亜鉛はタンパク質の代謝に関与し、健康維持に働きかけます。
体を温める赤身の肉を食べて代謝をUP!
「冷え性」や「憂鬱な気分」を吹き飛ばしましょう!
特徴
同じ牛から取れた肉でも、各部位によって硬さ、味、調理法は様々です。
サーロイン
霜降り(赤身に脂肪が入っている)の良質な部位。
肌理が細かく肉質は軟らかい。
甘くジューシーな風味が特徴です。
ステーキ、しゃぶしゃぶ、すき焼きなどに最適な肉です。
スネ、ネック
牛のすねと首にある肉です。
非常に硬い肉ですが、味は濃厚で美味です。
煮込み料理、スープに使います。煮込む場合は圧力鍋を使えば時短で簡単に軟らかくできます。
タン
牛の舌です。
長さ約50cm、重さ1.5~2kgほど。
肉質は硬めですが脂肪が多く、弾力のある独特の食感です。
主に焼肉に使われます。
肩バラ
筋肉質でやや硬め、脂肪分は少ない赤身肉です。
コラーゲンなどのゼラチン質が多いため、煮込み料理、ひき肉などに利用されます。
そのほか、「三角バラ」、「マル」、「リブロース」、「肩ロース」、「ヒレ」、「バラ」、「外モモ」、「ランプ」などの部位があります。
種類
輸入牛肉は、アメリカ、オーストラリアから輸入しています。
国内の牛肉では、北海道、岩手県、秋田県、山形県、栃木県、三重県、滋賀県、兵庫県などが挙げられます。
銘柄には、「仙台黒毛和牛」、「佐賀牛」、「神戸ビーフ」、「但馬牛」、「前沢牛」、「米沢牛」、「飛騨牛」、「松阪牛」、「近江牛」等があります。
レシピ
ビーフシチュー
赤ワインやトマトをベースに、牛肉やジャガイモ、ニンジン、セロリ等の野菜を加え、じっくりと長時間煮込んだ料理。
長く煮込めば肉が軟らかく食べやすくなり、消化もしやすい。
牛肉に含まれるヘム鉄は造血作用があり、女性の貧血予防にも効果的。
「ザ・肉!」といった巨大な一枚肉のステーキ料理が目の前にドン! と運ばれてきた途端、食欲を失うような胃弱な方も、これならゆっくりと堪能できそうだ。
ステーキ(ビーフステーキ)
厚切りの肉を焼いた一品。
本来の味付けは「塩のみ」で、シンプルイズベストの方にはお勧めの料理。
簡単そうだが、美味しく焼き上げるのは案外難しいそうで、(失敗した時に備えて)バリエーションのある肉用ソース(醤油味や大根おろしやニンニクのソース)を用意しておくのも良いだろう。
「ビーフステーキを略してビフテキと言う」というのは、実は間違い。
本当は、フランス語を語源とする「bifteck(ビフテック)」から来ているそうだ。
牛肉 赤身肉を食べて代謝をUP! 体を温め、鬱や冷え性予防にも まとめ
牛肉は、動物性タンパク質、鉄、ビタミンB群、必須アミノ酸に富む食材です。
食べると筋肉がつきやすくなり、代謝UPにつながります。
特に、「赤身肉」が脂肪燃焼を促進してくれます。
豊富に含まれる「鉄分」と「ビタミンB12」に造血作用があります。
肉を食べると消化に時間がかかるため、身体が温かくなり、代謝も上がります。