バナナは、バショウ科バショウ属に属す多年生植物です。
高さがあるため、木のように見えますが、それは柔らかい葉が重なり合ってできた茎なのです。
茎には、1本につき約10〜15房のバナナができます。
初めの頃は下向きに実りますが、太陽の光に向かって、徐々に上に曲がりながら育つため、バナナは湾曲するのです。
大きく「生食用」と「料理用」の2つに分けられ、300種類以上を超える品種があるといわれ、熟すまでに毒を持つ品種もあります。
原産地は熱帯アジア、マレーシアなど。
バナナの実は東アフリカや中央アフリカでは主食にされており、バナナの葉は皿の代用にされたり、食材を包んで蒸したり、更には屋根の材料などにも使われています。
バナナは紀元前8000年~3000年頃には東南アジア地域で食べられていたとされ、インドや東アフリカなどに伝来し、西アフリカからアメリカへ伝えられました。
日本では古くは「芭蕉」と呼ばれ、実を食べるものは「実芭蕉」と呼ばれました。
古代のインド以西の中東地域において、バナナはイチジクと呼ばれていました。
アラビア語で記述されたコーランによると、楽園の禁断の果実はバナナだと考えられています。
そのため、創世記に出てくる知恵の樹の実は、イチジクではなくバナナであった、とする仮説があります。
バナナを輪切りにすると見える中心部の黒い小さな点々が種の名残で、大昔の野生のバナナには、あずき粒大の種がぎっしりと詰まっていたそうです。
遺伝子が突然変異を起こし、バナナの種は無くなりました。
ですが、今でもフィリピンやマレーシア周辺では「種有りの野生バナナ」が現地の人々に食べられているそうです。
バナナは朝食やおやつ用に手軽に食べられる栄養価の高い食材です。
かつて「バナナダイエット」が話題になりましたが、比較的カロリーは高いです。
食材データ
種類:果物類
旬の季節:一年中
主な効能
高血圧の改善
高齢者や病人の栄養補給
免疫力強化
栄養成分
バナナの歴史はとても古く、人類最古の食物の一つと言えるでしょう。
バナナの名前の由来は2つの説があり、1つ目は、アラビア語で「手足の指」の意味の「banan」から来ているとされるもの、2つ目は、西アフリカの言語で「複数の指」の意味の「banema」から来ているとされるものです。
アフリカのギニアを経て、コンゴ川の河口の港「Banana」から英語圏に伝わり、バナナという名が定着したのだと考えられています。
一本のバナナの炭水化物量は約20g超え。
熟すにつれ、「消化されやすいブドウ糖や果糖」、「徐々に消化されるショ糖やオリゴ糖」などが増えていき、甘くなっていきます。
同じグラム数なら、ご飯よりバナナの方がカロリーは低く消化も良いので、あまり体を動かせない病人や虚弱体質のお子様への栄養補給食品としてもお勧めです。
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどのビタミン群、カルシウム、カリウムなどのミネラル群もバランスよく含まれています。
ビタミンではビタミンB6の数値が高いです。
ビタミンB6は、動脈硬化予防やアレルギー症状の緩和に働きます。
ミネラルでは、カリウムが多く含まれています。
カリウムは、ナトリウムの排出を促し、高血圧予防やむくみの改善に役立ちます。
漢方では、バナナは「咳や喘息を軽減する食材」とされ、味は甘く、身体を冷やす性質の「寒性」です。
「下痢をしている時には食べてはいけない」とされます。
食物繊維も豊富なバナナは、下痢を悪化させる可能性があるからです。
冷え性の方も、バナナの多食は控えた方が良いでしょう。
前述通り、食物繊維も豊富に含まれていますので、便秘気味の方は1日1~2本食べると良いでしょう。
バナナには、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維、ポリフェノールなどの様々な有効成分がバランス良く含まれています。
非栄養素と呼ばれるポリフェノールなどのファイトケミカル成分が血液中の白血球を増やして免疫力を上げる、とも言われていますが、検証はこれからです。
特徴
皮を剥いて空気に晒されると、酸化により褐色に変色します。
レモン汁などの果汁をかけておけば変色を防げます。
バナナの皮の色は品種によって異なります。
一般的なバナナの皮は緑色から黄色ですが、桃色から紫色までと多様にあります。
バナナを購入する際は、皮が黄色く付け根が新しいものを選びましょう。
バナナの皮に現れる黒い斑点は「シュガースポット」と呼ばれ、バナナが熟して甘くなったサインです。
シュガースポットのあるバナナの方が、出ていないものより免疫力が高いと言われています。
バナナは冷蔵庫に入れると低温障害を起こして傷んでしまいます。
バナナハンガーに吊るすか、接触面を少なくするため、バナナが山形になるように置いておきましょう。
携帯用バナナケースは、バナナの押しつぶれを防ぐバナナ専用ガードケースで、外出時のバナナの持ち運びに便利な商品です。
ジョギング、スポーツ時の手軽な栄養補給にもお勧めです。
種類
生産国は、インド、フィリピン、中国、エクアドル、ブラジル、インドネシアなどです。
世界各地で栽培されているバナナは「生食用」と「料理用」の2つに大きく分けられており、世界中でおよそ300種類以上もの品種があります。
「キャベンディッシュ 」、「ラカタン」、「レディ・フィンガー」、「シマバナナ」などの品種があります。
日本で出回っているバナナの約8割は、「フィリピン産:ジャイアント・キャベンディッシュ」と呼ばれる品種です。
レシピ
干しバナナ
バナナを干しただけなので、一本あたりのカロリー量は生のバナナとあまり変わらない。
食物繊維、ビタミンB6、カリウム、マグネシウム、マンガンが豊富に摂れる。
そのまま食べるか、クッキーなどにも使える。
バナナケーキ
アメリカではホームメイドのお菓子として食べられており、薄力粉やホットケーキミックスや強力粉を使うレシピもあれば、バターや卵無し(卵アレルギーを避けるため)でのレシピもある。
バナナ 肉体疲労を癒やし、手軽に食べられる栄養価の高い食材 まとめ
ビタミン類、ミネラル類、食物繊維、ポリフェノールなどの様々な有効成分がバランス良く含まれているバナナは、朝食やおやつ用に手軽に食べられる栄養価の高い食材です。
消化も良いので、病人の方やお子様にもお勧めです。
食物繊維も多く含み、整腸作用(便秘解消)も期待できます。