日本ではクロアワビ、エゾアワビ、マダカアワビ、メガイアワビの4種類が、一般的に「アワビ」と呼ばれています。
この中でもクロアワビ(黒アワビ)は「貝の王様」!
その名の通り、他のアワビよりも黒っぽい色をしています。
流通量も稀少で高価格。
食感も旨味も超一級!
まさに「王様」と呼ばれるに相応しい堂々たる風格を持つアワビです。
勿論、(クロアワビではない)他のアワビの身にも、海藻の栄養素がギュッと凝縮して詰まっています。
コラーゲンをはじめとして、ミネラル分もビタミン類も豊富です。
アワビが日本人に食べられてきた歴史は古く、縄文時代の貝塚からはアワビの殻が発見されています。
邪馬台国の卑弥呼に始まり、過去に名を馳せた天下人の食卓には、必ずアワビが載っていたそうです。
不老不死を願っていた中国の始皇帝は、徐福という道士に妙薬を探すことを命じ、「倭(日本)では、ある食材を食べて長生きしている」ことを聞きつけた徐福は、その食材が「アワビ」ではないかと推測し、倭の国目指して旅に出た……と伝えられています。
また、楊貴妃も美容のためにアワビを食していたとか……
アワビの身が「長く伸びる」ことから、「長寿」、「発展」、「末永く幸せになる」の意味を込め、お祝い事や神事などに重用されています。
食材データ
種類:貝類
旬の季節:夏
主な効能
強壮、強精作用
骨粗しょう症予防
貧血予防
乳汁分泌促進
肺結核の改善
栄養成分
昔から、産後からお七夜までにアワビを食べれば母乳の出が良くなる、と言われています。
肺結核にも良いとされ、アワビ粥などの薬膳食として用いられてきました。
また、産後だけではなく、「妊婦さんがアワビを食べると良い」という話が日本各地の伝承で見られます。
アワビの身や肝を妊娠3~5ヶ月の頃に食べることで、目の良い赤ちゃんや、肌が綺麗な赤ちゃんが産まれるというのです。
アワビは漢方で薬用効果が謳われていますし、アワビに含まれているタウリンが、「母親の胎内で形成途中の胎児の目の網膜に効くので、目の良い赤ちゃんが生まれる」とする説です。
アワビは、刺身や寿司種に使われたり、干しアワビや粕漬けなどにも利用されます。
鮮度が良い高級アワビは刺身や寿司にはもってこいですし、身が柔らかく刺身には適さないアワビは酒蒸しや煮貝にすると美味しいです。
消化不良を起こしやすい方や、胃腸の弱い方、胃や腸の手術後の方など体力の衰えている方は、アワビの身は消化しにくいので気をつけましょう。
アワビは、米国西海岸のシーフードレストランなどでステーキとして調理され、その贅沢な味わいが現地の人々の舌をうならせています。
アワビは、中国料理では高級食材「四大海味」の一つに含まれており、干しアワビを柔らかく煮込んだ調理法が多く見られます。
日本ではアワビのコリコリとした食感を活かした「刺身」を楽しんだり、(ちょっと残酷ですが)新鮮なアワビを生きたまま焼いて食べる「アワビの踊り焼き」が人気です。
アワビにはコラーゲンが非常に豊富に含まれています。
コラーゲンは、皮膚を若々しく保つ働きがあります。
低脂肪高タンパクの食材であり、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン酸などのアミノ酸も多く含まれるため、あのコクのある独特の旨味が醸し出されます。
アルギニン酸は、不妊症や認知症、骨粗鬆症、ED(強壮、強精効果)などに効果が期待できます。
ビタミン類ではビタミンB1、ビタミンB2、ミネラル類ではカルシウム、鉄、銅、亜鉛、鉄分、マグネシウム、タウリン、カリウムなどが豊富に含まれています。
アワビに含まれる亜鉛やタウリンは、眼の網膜を守る働きがあります。
更に、漢方薬「石決明(せきけつめい)」はアワビの殻を干したもの。
煎じて飲むことで強壮・強精薬として、また眼病薬としても使われます。
特徴
コラーゲンが非常に豊富に含まれていることがアワビの特徴です。
アワビは鮮度が非常に重要な食材であり、死ぬとすぐに臭みが回ってしまいます。
そのため、刺身や踊り焼きで食べる際は、新鮮なアワビを選びましょう。
天然アワビは激減しています。
貝殻が綺麗な緑色をしている養殖アワビは単一の餌を与えられて育ちますので、その味はピンキリです。
なお、「タコとアワビの食い合わせ」は消化器系に異常をきたすとされています。
面白い事に、タコはアワビの天敵です。
腹の中に入ってまでも喧嘩するのでしょうか。
種類
日本では、「クロアワビ」、「エゾアワビ」、「マダカアワビ」、「メガイアワビ」の4種類が、一般的に「アワビ」と呼ばれています。
クロアワビ
超高級貝です。
産地は長崎県、三重県、千葉県、静岡県などです。
エゾアワビ
超高級貝です。
三陸沿岸に多く生息します。
マダカアワビ
産地は長崎県(玄海、壱岐、五島)、三重県、千葉県、静岡県などです。
メガイアワビ
産地は長崎県(玄海、壱岐、五島)、三重県、千葉県、静岡県などです。
沖縄にもアワビはいますが、その数は少ないです。
悪質業者などが超低価格で提供している「アワビ」と称される貝には、偽物の可能性があります。
南米産のロコ貝とラパス貝であり、これを食べることで重篤なアレルギー症状を引き起こすことがあります。
あまり安価のアワビ(と称されている貝)には十分な注意が必要です。
レシピ
アワビの刺身
コリコリした食感がやみつきに! 新鮮なアワビなら、刺身がお勧め♪
肝醤油をかけて食べても美味しいです。
アワビの酒蒸し
醤油や酒や調味料、更にアワビ自体の旨味がぎゅーっと滲み込んで、かなり贅沢なお酒のつまみに。
柔らかな食感なので、歯の悪い方も大丈夫。
蒸した後の汁にも旨味が凝縮されているので、忘れずに活用しましょう。
アワビのソテー
熱を加えると柔らかくなるアワビ。
隠し包丁を入れておけば、噛みきりやすくなります。
バター焼きで香ばしく。
アワビ【鮑】 黒アワビは貝の王様。コラーゲン豊富で強壮効果も有 まとめ
アワビの中には凝縮された旨味と栄養分がぎっしり含まれていることがわかりました。
豊富なコラーゲンは美容に効き目がありますし、亜鉛やタウリンは目の網膜の保護や改善に、更にはアワビに含まれるアルギニン酸は、滋養強壮やEDにも効果が期待できます。
ストレス過多の方や、お酒をよく飲まれる方にもお勧めの食材です。