男性と女性お酒が強いのはどっち?~酒豪を決めるアルコール遺伝子と男女での影響の違い~

ビールを飲むとビール腹になり、やがてメタボになるっていいますよね。

もちろん、お酒の過剰摂取は健康を害することに間違いはありませんが、「ビールは健康に良い!ウソを切り真実を知る」「最適な飲酒量で健康になる秘訣」で紹介したように適度のアルコール摂取は、健康に良いとされています。

今まで飲酒は悪いものとされていましたが、逆に健康に良いというような研究結果が発表されたりしてお酒のイメージに変化がありました。

また、ここ数年で女性がお酒を楽しむ機会が増えたのではないでしょうか。

どのような変化があったのでしょうか。

 

女性が気軽に楽しめるようになった

しかし、ここ数年、若者のアルコール離れにより、ビールの売り上げが伸びないという理由からか、女性をターゲットにしたCMが多くなったように思いますが、本当に最近の若者はアルコール離れしているのでしょうか。。

海外では「危険なアルコール摂取方法!」で紹介したように若者のとんでもないアルコール摂取方法が問題になったり、日本国内でも大学生や新入社員の過剰なアルコール摂取により「アルコール依存症の若年化が社会問題に!」に書いたような依存症へ陥るといった報告が相次いでいます。

しかし、私の周りでもお酒を飲めない男性が思いのほか多く、逆に若い女性グループが居酒屋などでよく見かけるようになりました。
また、女性をターゲットにしたCMを観ると、女性が一人で缶ビールなどのお酒を家庭で楽しむものが多く、風呂上りに缶ビールを飲む女性が急増しているともいいます。

確かにお酒は、男性だけのものだけでなく、女性も気軽に楽しめるものへと変化しているようです。

ところで、お酒の強さって男と女どちらが強いと思いますか?

みなさん自身の経験から男性が強いとか、いや女性のほうが強いとか色々な意見があるでしょうが、私の経験上、女性のほうがお酒が強いと思っていました。

実は、飲酒によるアルコールの影響が男女で違いがあるって知っていましたか?

男性と女性、お酒が強いのはどっちなのでしょう?

 

アルコール遺伝子

247性別を問わず強い人、弱い人はいます。

なぜなら、お酒が強いか弱いかを決めるのは、アルコール遺伝子と肝臓の能力によるからです。

アルコール遺伝子とは、顔が赤くなるというようなフラッシング反応が出るかを決める1B型アルコール脱水素酵素とアコールを分解する能力が高いかどうかを決める2型アルデヒド脱水素酵素のことで、2型アルデヒド脱水素酵素の働きが強い人はお酒に強いといえます。

アルコール遺伝子は、遺伝により先天的に決まるため、体格の差や男女によるお酒の強さの違いはありません。

 

肝臓の能力による違い

もうひとつ、お酒が強いか弱いかを決めるのが肝臓の能力の違いです。

アルコールを分解するのは肝臓ですが、肝臓は体格に応じて大きさが異なり、肝臓の能力もその大きさにより比例します。

したがって、男性よりも比較的体格の小さい女性のほうが肝臓が小さいことから、アルコールを分解する能力も女性のほうが男性に比べて弱いといえるのです。

体格差から男性の肝臓の能力は、女性の1.5倍といわれていますが、仮に体格の同じくらいの男女が同量のお酒をのむとどちらが強いともいえません。

 

筋肉の量による違い

gatag-00004945肝臓がアルコールを分解するように筋肉もアルコール分解に一役買っています。

これも肝臓の大きさのように男性より女性の方が筋肉の量が少ないことが多いので、この点でも女性の方がお酒に弱いということになります。

この筋肉という視点からみると、仮に体格の同じような男女が同量のお酒を飲んだとしても、女性の方が血中に含まれるアルコール濃度は濃くなる、つまり女性のほうがお酒に弱いということになるのです。

この体格差から一般的に男性の方が二日酔いになりにくいと言われています。

アルコールの分解過程における二日酔いを早く治す方法は「スプライトは二日酔いに効く」の記事で紹介しています。

 

脂肪の量による違い

topics-0208_no1-spe_no2_0208_017[1]アルコール摂取において女性が男性より上回っているもの、それは脂肪です。

普通、男性より女性の方が体脂肪の比率が高いといわれています。

そして、この脂肪にアルコールが溶け込むことで血中におけるアルコール濃度が低くなるというのです。

同じ体重の男性と女性が同量のアルコールを摂取した場合、体脂肪が多い女性の方がお酒に強いということになります。

先ほどお話した筋肉は、アルコールの分解を促進しますが、アルコールは溶け込みません。

つまり、理論上は体格が大きいことで肝臓も大きく、筋肉と体脂肪が多い方が酒豪ということになります。

 

女性ホルモンの影響

69eaa6f8068567acfa18321e7058aeeaこれも男性より女性のほうが多いもので、女性ホルモンは、アルコールの分解に関係しています。

女性ホルモンのエストロゲンは、アルコールを分解する肝臓の働きを鈍らせるため、酔いやすくなります。

特に月経前は、体内にあるエストロゲンが通常より多くなるので注意が必要です。

 

アルコールの影響は男女で違いがある

kangan1体格差から肝臓の能力や筋肉の量が男性と女性では違うということは先ほどお話しました。

もし、体格差のある男性と女性が同量のお酒を飲んだとしたら、小さい肝臓の方が酔いやすいだけでなくアルコールによるダメージも大きくなります。

男性に比べて体格が小さく、肝臓の能力が低い女性の方が肝臓が受けるダメージも大きく、男女同量の飲酒量なら女性のほうが早く肝機能障害になるということなのです。

また、血中のアルコール濃度の上昇において筋肉と脂肪の関係は甲乙つけがたいのですが、肝臓が小さいことや女性ホルモンの影響でアルコールを分解する能力が低いことから血中にアルコールが長時間滞在することになりますので、女性の方がアルコール依存症になるまでの期間が男性より圧倒的に短いというわけです。

 

男性と女性お酒が強いのはどっち?~酒豪を決めるアルコール遺伝子と男女での影響の違い~まとめ

アルコール遺伝子の違いにより、小柄な女性でも「酒豪」という方は、特に肝機能障害と依存症にはお気をつけください。

「音楽で変わる味覚と飲酒量」を参考にして飲酒量を工夫するのもいいかもしれません。

最適な飲酒量であれば、男女共に健康になるという研究結果も出ています。

しかし、最適な飲酒量ってどれくらいの量なのでしょうか?

男性、女性どちらにしてもお酒の飲みすぎには注意することが大切ですね。

→最適な飲酒量で健康になる秘訣! ~お酒が脂肪肝のリスクを減らす~

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