焙煎によるコーヒーの味の違い~自宅での焙煎方法と道具【動画あり】~

20160107081511コーヒーは生豆の状態では味も香りもほとんどありません。

コーヒー特有のあの香りや味は、焙煎の工程を経て形作られるものです。

コーヒー豆の成分は、熱が加えられることにより変化し、同時に味や香りも変化してゆきます。

焙煎によってコーヒーの個性をうまく引き出すこともできれば、個性を殺してしまうこともできるのです。

そのようなわけで、焙煎の工程は非常に重要なのです。

 

焙煎度合いによる味の違いを知る

baisen一口に焙煎と言っても、浅煎りから深煎りまで様々な程度があります。

一般的には煎りが浅いほど酸味が強く、煎りが深くなるほど苦みが強くなります。

コーヒー豆の銘柄そのものの持つ特性と、この焙煎の工程がマッチすることで、素晴らしいコーヒーが生まれるのです。

自家焙煎のコーヒー店ごとに個性が違う理由もここにあります。

どの程度の焙煎を行なうかは、それぞれのお店独自のコンセプトに基づいていることでしょう。
また、同じ豆でも焙煎の度合いを変えるとまた違った味わいを楽しめるため、ロースト違いの豆を販売しているお店もあります。

r01自宅で焙煎を行う際は、手網、フライパン、ノンフライヤー、ロースターなど色々な道具を使って焙煎方法を変えることで焙煎度合いの変化を楽しむのもいいかもしれません。
ここでは自宅で焙煎する際に役立つ動画も紹介していますのでどうぞご覧ください。
では、焙煎の度合いの特徴について、焙煎の浅い順番に見ていきましょう。

これを理解するとコーヒーの味を想像しやすくなり、豆を選ぶ際にとても役立ちます。

 

手網による焙煎動画

ここでは手網による焙煎の動画を見てみましょう。

コーヒー豆を焙煎したときに起こるハゼや色の変化などを体感できる本格的な手煎りです。

 

浅煎りに用いられるコーヒー豆の種類

浅煎り用の豆としては、キリマンジャロ、キューバ、ハイチなどが使われます。

コーヒーらしい味と香りにはなっていないため、ほとんど店頭で売られることはありません。

お店によっては、ブレンドコーヒーにアクセントをつけるために使うところもあるようです。

 

ライトロースト

r02最も浅い煎り方で、豆の色もまだ黄みを帯びています。

酸味が際立ちますが、コクや苦みはほとんどありません。

香りも微妙で、コーヒーといえるかどうかというところです。

飲用には適さない煎り方と言ってよいでしょう。

 

シナモンロースト

r03ライトローストの状態からからもう少し煎ったもので、これも浅煎りです。

色がやや褐色となりシナモンに似ているため、このように呼ばれます。

やはり酸味が強く、コクや苦みはほとんどありません。

主にテスト用として使われる煎り方です。

 

ロースターを使った焙煎動画

アイスコーヒーロースターを使った焙煎です。

本格的な手網焙煎に比べて超簡単です。

煙が出ないので自宅でも安心して使えます。

上蓋が透明なものだと焙煎具合を目視できるので微妙な加減も可能です。

 

中煎りに用いられるコーヒー豆の種類

中煎り用の豆としては、ブラジル、ブルーマウンテン、エチオピア、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア、タンザニア、キューバ、ハイチなど数多くの産地の豆が用いられています。

さわやかな酸味のあるコーヒーが好きな人におすすめの煎り方で、特にシティローストはおすすめです。

ブレンドコーヒーのベースとしても使用されます。

 

ミディアムロースト

r04ここから中煎りと言われる焙煎になります。

豆が栗色になる程度まで焙煎したものです。

やはり強い酸味を特徴とします。

ストレートコーヒーに適していると言われています。

 

ハイロースト

r05ミディアムローストの状態からさらに濃い茶色になるまで煎ったものです。

酸味はかなり柔らかくなり、豆の個性が感じられやすくなります。

日本では一般的なローストになっています。

 

シティロースト

r06いわゆる中深煎りで、豆は茶褐色をしています。

酸味が薄らぎ苦みが少し出て、バランスの良さが魅力です。

ほぼどんな豆にも適合する煎り方で、まずはここから試してみるとよいでしょう。

 

 

フライパンを使った焙煎方法

ここでは、自宅に必ずある道具、フライパンを使った焙煎方法を紹介します。

手網に比べて手元から火が遠いので初めての方でも安心して焙煎できる方法です。

また、特別な道具を使わずにフライパンを使うというのも手軽ですので是非試してみてください。

手網と同じく、ハゼや色目を確認することができるので本格的な自家焙煎を楽しめます。

フライパンは浅いのでコーヒー豆が飛び散らないよう、注意しましょう。

 

深煎りに用いられるコーヒー豆の種類

深煎り用の豆としては、インド、ケニア、ブラジル、インドネシア、パプアニューギニア、ボリビアなどの産地のものが用いられています。

酸味より苦みが好きな人に人気のある煎り方で、特にフルシティローストはおすすめです。

 

フルシティロースト

r07ここからは深煎りです。

フルシティローストはシティローストからさらに深く煎ったもので、豆は茶褐色から黒味を帯びてきます。

酸味はかなり弱くなり、代わって上質な苦味が増してきます。

アイスコーヒーにはこのあたりからの焙煎具合がベストです。

 

フレンチロースト

r08さらに煎りを深くしたもので、豆の色は黒っぽくなり、表面には少し脂分が出てきます。

苦味が強くなり、酸味はほとんど感じられなくなります。

アイスコーヒーやエスプレッソ、カフェラテなどにちょうどよい焙煎です。

 

イタリアンロースト

r09最も深煎りの段階です。

豆の色はほぼ黒で、表面には脂分が出ます。

炭になる一歩手前と言ってもよく、焙煎時に豆に火がついてしまうこともあります。

苦みはかなり強くなり香ばしさもありますが、豆の個性が出にくく、あまり一般的ではありません。

まとめ

生豆の個性についてもそうですが、焙煎についても理解することが、美味しいコーヒーへの近道です。

こんどコーヒー豆を買う時は、ぜひ焙煎具合にも注目してみてください。

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