思春期の飲酒は脳に影響を与える ~なぜお酒は二十歳になってからでないといけないのか~

eab4ca8fdad96bbea9cbf70de77b38e718c2e2581389344159「お酒は二十歳になってから」

なぜなのでしょう。

未成年の飲酒は、法律により禁じられています。

また、酒類の広告審査委員会により「未成年者の飲酒は法律で禁じられています」「お酒は二十歳になってから」などの表記を義務付けれているので日本国民であればたいてい「お酒は二十歳になってから」という文句を聞いたり見たりしたことがありますよね。

当然法律なのですから守らないと罰せられますが、未成年の飲酒はなぜダメなのかという疑問を抱いたことはないでしょうか。

 

思春期の飲酒は脳に影響を与える

821_1200ドイツのハイデルベルグ大学の研究チームは、283人の若者に対して彼らが思春期のどの段階で初めてお酒を飲んだかに焦点をあてて飲酒行動を分析、調査した結果、思春期の間に飲酒を覚えた人のほうが、成人後に飲酒した人に比べ多くの量をより高い頻度で飲むことが明らかになったというのです。

これは、まだ発育途中である思春期と成人後とでは、アルコールが脳に与える影響に違いがあることを示す結果となりました。

思春期に飲酒を始めると多くのお酒を高い頻度で飲むというわけですから「未成年で飲酒をすると酒豪になる」とも捉えられますが、これは違います。

飲酒などによるアルコール摂取によって得られる精神的、肉体的な快楽を伴う薬理作用が未成年には強く働くということです。

また、思春期の脳にとって自らの意思で飲酒行動をコントロールするには早熟すぎるともいえます。

 

飲酒を始める年齢が早いほどアルコール依存症になりやすい

sirabee_hatachi_sake_201501230900graph-1-600x443王立医学協会のシグマン博士によると、飲酒を始める年齢が早ければ早いほどアルコール依存症に育つ確率が高くなるというのです。
確かに、アルコールの快楽を伴う薬理作用が成人よりも未成年の方が強く働くとなると「アルコール依存症の若年化が社会問題に!」という記事で書いたようにアルコールを強く求めるようになり、やがては精神疾患となります。

よく「今日はお祝いの日なので、少しだけなら」といって子供にごく少量のお酒を与えるという親の話を聞いたことがあります。

これも絶対にダメです

たとえ極々少量のお酒でも、飲酒を始める年齢が早いということは「お酒を飲んで嫌なことを忘れる」の記事で書いたように潜在意識での記憶に深く早くアルコールによる快楽の記憶が刻まれることになるので、アルコール依存症に陥る確率が高くなるのは当然といえるのです。

そうです。たとえ少量のアルコールといえども一度摂取しただけで、未成年の脳には潜在意識の記憶にまで長く影響が残るのです。

 

思春期の飲酒は脳に影響を与える まとめ

「お酒は二十歳になってから」というのは、飲酒によるトラブルだけでなく、精神的、肉体的にも影響を及ぼすからということがわかりました。

「お酒は二十歳になってから」

みなさんも必ず守ってくださいね。

では、成人はどうでしょうか?

成人になると法律上お酒を飲むことができますが、どの程度の影響があるのでしょうか?

誰も自分の失態を見せたくないですよね。

→飲酒により脳の働きが悪くなる ~酔っ払うとつい方言が出てしまう理由~

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