まりもと呼ばれた名物列車と幻の駅弁について。
函館~釧路間の夜行急行に昭和26年から「まりも」と呼ばれる列車が走り出しました。
この夜間急行の沿線である阿寒湖の名物のマリモに因んで名付けられたのです。
「まりも」は、本州内から特急「北斗」を介して乗り継ぐことができ、編成の一部は釧路から先も普通列車で根室まで延長運転されました。
「まりも」は夜間急行ということもあり寝台車の需要が高く、もともと3両だった寝台車が昭和39年には6両となりました。
昭和40年からは、完全な夜行列車となりましたが、その活躍は短く昭和43年には急行「狩勝」に統合されることとなり、夜行列車「まりも」は消えてしまったのです。
「まりも」が復活することになったのは13年後の昭和56年で、当時は限定的な運行でしたが、平成元年には「女性専用席」が設けられ、夜行列車として充実されていったのです。
しかし、復活した「まりも」もその活躍はあまり長くは続かず、平成20年に「まりも」は廃止されてしまいました。
この「まりも」の廃止で、北海道内だけの定期夜行列車はすべて消滅してしまうことになりました。
夜行列車が消滅してしまうと駅弁も消滅する
夜行列車にのる楽しみの一つは車窓からの景観を眺めながら食べる駅弁でしょう。
長時間列車に乗っているとおなかもすきますし、日ごろよりもちょっと贅沢な駅弁を食べたいと思ってしまいます。
しかし、昔は時間をかけて旅をするしか方法がありませんでしたが、夜行列車に変わり特急列車が普及してくると列車に乗る時間が短縮されます。
今では、新幹線であっという間に目的地に着いてしまいます。
時間が短縮されるのは良いことですが、駅弁を楽しむ方が激減しているようで、どの駅弁も需要がなく売れ行きが悪いようです。
時間の短縮とともに昔の歌で唄われたような寝台車と駅弁と車窓の情景は失われていったのです。
駅弁の復活と幻の駅弁
交通機関の発達により、時間が短縮され、駅弁の需要がなくなってきましたが、駅弁をこよなく愛す方たちもいて新たな販売店が開拓されます。
それが、百貨店での駅弁コーナーです。
百貨店では、各地の駅弁を集めて販売し、一大駅弁ブームを巻き起こします。
この駅弁ブームの中で幻と呼ばれた駅弁があります。
幻の駅弁といえば2006年にテレビ番組で放送されるやいなや翌日からデパートの駅弁コーナーには長蛇の列ができ、販売開始からなんと5分とかからずに完売となったあの駅弁を思い出します。
その幻の駅弁とは「たらば寿司」です。
たらば寿司は、八角形の弁当箱に酢めし、その上に錦糸卵を敷き詰め、サーモン、カニフレーク、昆布なのど北海道特産の海の幸がぎっしり乗っています。
その中央に特大タラバガニが盛られており、北海道名産物のオンパレード!
特に特大タラバガニはインパクトがありました。
幻の駅弁と呼ばれるにふさわしいできばえです。
みなさんも駅弁と車窓をもういちど楽しんでみてはいかがでしょうか?