マイファームという会社をご存知でしょうか?
マイファームは、農業を楽しみながら体験できる農園のレンタル事業で、地べたを這いながらも成長を遂げたこの画期的な会社に注目が集まりテレビ番組「カンブリア宮殿」で特集されます。
さて、なぜ農業を楽しみながらするのか? 農業の未来はどうなのか?
日本の経済発展以降、農業離れが加速し、荒れた農地も増え、さらには農園を手放す農業者が増える現状、農協の改革も進まず、日本の農業の未来は暗いといえるでしょう。
では、農作物はどうでしょうか?
近年、農作物の価格の高騰が著しいものも多くあります。
言い換えれば、「農作物は安くないと売れない」しかし「農作物が高く売れないとやっていけない」わけです。
農業をやってるより、企業に勤めたほうが賃金が良いだとか、安定しているだとか、農地を売ってしまったほうがいいとか、そういった理由です。
今後の農作物は二分化されると予想されています。
今までのような「安売りの商品」と「私が作った○○」というように数年前から農業者の名前入りの高級な野菜がスーパーなどにも増えてきました。
私も時々スーパーに行きますが、野菜の価格が高騰していることもあり、品質が悪く小さい、または量が少ない野菜が安売りされています。
その一方で、価格は高くてもいいから美味しい野菜が食べたいという消費者が増えています。
このまま加速すると一番困るのが作り手、すなわち農業者の減少です。
農業者が減少すると、当然供給量は不足し、農作物の価格は現在の3倍以上になるのではないかといわれています。
農業への企業参入
全く他の事業をしていた企業が農業へ参入し、成功を収めている例もあります。
建設土木業の山本組は、トマト栽培に参入、長野県のトップリバーという企業は一般企業の経営手法を農業に導入して成功をおさめている。
しかし、企業参入が再建の切り札と言われてはいるが、農地を手に入れたところで経営を成り立たせることができるでしょうか。
農業は自然と生き物を相手に日々変わります。
工業製品のような生産ラインのようにはいきません。
農作物を育てるにも、害虫に対応するにも、自然災害の危機から作物を守るのもやはり農作業の専門家が必要です。
農地をレンタルするマイファーム
そこで日本の農業の未来を明るくするためにマイファームは農地をレンタルし、農業を知らない人たちに農業を体験してもらうことによって一人でも多くの農業者を増やそうという試みをしてきました。
農業は、頑張ったからといって必ず結果がついてくるものではなく、成果をあせらずこまめに手入れすることが大切です。
要するに、農業離れをし農業者が減少した現在、一般の人に楽しみながら農業の事を知ってもらい、新たな農業者になってもらう他ないというのです。
しかし、一般の人が農業をするには農地が必要です。
だからマイファームは農地をレンタルするという発想にいたりましたが、最初はだれも農地を貸してくれなかったとマイファームの西辻氏はいいます。
西辻氏の父親はサラリーマンで、農家の出身ではありませんし、西辻氏は若く農業者からは信用されなかったといいます。
体験型農園のレンタルは、全国に100ヶ所以上ある農地を月額5000~6500円前後で借りることで楽しみながら農業ができます。
2年目以降レンタル料金は半額近くの安値になって借り続けることができます。
マイファームのレンタル料金は、格安とはいえませんが、農業の専門家がサポートしてくれるサービスや農具、肥料を借りることができるので一般の方にもはじめやすいのが特徴です。
レンタル利用者は、手ぶらで家族と一緒に住居から一番近くのマイファームを訪れて有機無農薬野菜を育てることで自分で作った新鮮な野菜を食べることができるのです。
キッチンファームという収穫した野菜をすぐに調理できる設備を備えているマイファームもあり、料理や保存食の作り方まで教えてくれます。
マイファームは、自分で作った野菜を販売したいという利用者にも対応しています。
ふくふくファームという、提携する直売所に自分が作った野菜を持ち込んで値段をつけて販売することができます。
また、農業体験を経てプロになりたいという人には、アグリイノベーション大学校という農場実習を学ぶビジネススクールもあり、卒業後は農家や農協への就職斡旋をしてくれるといいます。
今後、マイファームは、アグリイノベーション大学校卒業者を支援するべく宅配などの流通販路を開拓する事業も進めています。
このようにマイファームは利用者を選ばず延べ1万人を超え大人気となっています。
みなさんも農業体験をしてみてはいかがでしょうか。