ビールは、我々日本人が最も好むお酒なのではないでしょうか。
また、ビールは日本で定着する以前から世界中で愛されているお酒のひとつとして知られてきました。
美味しい料理とともにいただくワインや日本酒と違い、ビールはつまみがなくても缶ビール片手に仲間との会話を楽んだり、青空の下で飲んだりと、飲み始めるとついつい何杯も続けて飲みたくなってしまいます。
では、なぜ世界中でこれほど多くの人がビールを愛し、病み付きになるのか。
最新の研究でこのビールを続けて飲みたくなる理由のひとつが解明されました。
ビールを飲みたくなる理由
今回、アメリカ合衆国インディアナ大学医学部の研究チームが、49名の実験参加者にビールとスポーツ飲料(ゲータレード)をそれぞれ飲んでもらい、その後に脳内の画像診断を行いました。
なお、アルコールを過剰に摂取すると依存症に発展する精神疾患が起こりますので、そういったアルコール成分の影響がほとんどないよう、参加者は15分間に15ミリリットルというごく少量を摂取し、実験を開始しました。
アルコールによる精神疾患については「アルコール依存症の若年化が社会問題に!」の記事をご覧いただくとして、実験の結果は、スポーツ飲料よりもビールを飲んだ後の方が多くのドーパミンが放出されていることが脳内の画像診断により判明したのです。
しかも今回の実験では、15分間に15ミリリットルというごく少量のビールですからアルコールによりドーパミンが放出されるのではなく、ビールの味そのものがドーパミンを分泌を活性化させているのだろうと研究チームは説明しています。
ドーパミン
ドーパミンは、快楽物質とも呼ばれ、楽しい行動をとった時に分泌される神経伝達物質ですが、これは「ビールを飲むとドーパミンが分泌されてさらにビールが飲みたくなる」というサイクルが繰り返されることを意味します。
これまで、アルコールによりドーパミンが分泌されることは「お酒を飲んで嫌なことを忘れる」という記事で紹介しましたが、ビールの味そのものにドーパミンの分泌を活性化させる働きがあるとは考えられていませんでした。
ただ単に、ビールの味が快楽につながることを知っているからドーパミンの分泌が促進されるのか、はたまたビールの味を知らない人にも効果があるのか、ノンアルコールビールでは結果はどうなっていたか。
まだまだ解明してほしい疑問点はたくさんあります。
ビールの味への欲求
飲酒への欲求が高まる背景には、酒の味や香、見た目、習慣など複数の要因が関わっているといわれています。
今回の実験結果では、ビールの味そのものにドーパミンを分泌させる働きがあり、飲酒への欲求が高まる要因のひとつに「ビールの味」が含まれることが示されたということになります。
飲酒量が増すにつれアルコールの成分により飲酒への欲求が高まりますが、ビールの味にも同様の効果があるという結果をみると、ビールが世界中で愛されている理由もうなずけます。
ビールが世界中で愛されている理由 まとめ
世界中でビールがこれほど多くの人に愛される理由のひとつが「ビールの味」にあったなんて思いませんでした。
それにしても、ビールの味によってドーパミンが放出され、アルコールによってさらにドーパミンが分泌され、そしてドーパミンによる快楽がさらなるドーパミンを分泌させてビールに病み付きになってしまうというのは、なんとも恐ろしい事実です。
しかし、そんなビールも悪いことばかりではありません。
ビールを飲むと健康になるという研究もあります。
確かにビールは麦芽でできていますから原料自体は健康に良いものですよね。
また、よく「ビール腹」といいますが、ビールはダイエットにだって効果があるという話もあります。
本当にビールは健康に良いのでしょうか?
→ビールは健康に良い!ウソを切り真実を知る ~動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、ダイエットに効果的なビールはラガーよりもエールのほうが効能が高い~