ターキッシュコーヒーとは、トルコ式コーヒーのことです。
ターキッシュコーヒーの歴史は非常に古く、450年以上前から飲まれています。
もともとはトルコのイスタンブールが発祥と言われています。
ネルなどのフィルターを使ってコーヒーの粉をこすようになったのは、ターキッシュコーヒーが飲まれるようになってから、100年以上も後のことです。
まさにコーヒーの原点ともいえる淹れ方ということになります。
美味しいターキッシュコーヒーの淹れ方
ターキッシュコーヒーは、イブリックまたはジェズベと呼ばれる柄杓型の小さな鍋を火にかけて作り、コーヒーの粉もそのまま一緒に小さなカップに注いで飲むのが特徴です。
したがってやや粉っぽい感じになりますが、非常に濃厚な味わいとコクを感じることができます。
ペーパードリップ等に慣れていると、これがコーヒーなのかと思う味わいかもしれません。
香りはドリップのほうが上ですが、その強烈な個性には大きな魅力があります。
簡単に揃えられる道具類
ターキッシュコーヒーを淹れるために必要な物は、コーヒー豆8g、砂糖8g、水70cc、小さめの鍋(手に入るならイブリック)、箸または木べら、デミタスカップなどです。
分量は1杯分あたりですので、複数杯淹れる場合には杯数分を掛けてください。
フィルターなどは不要で、鍋を火にかけて簡単に作ることができます。
ターキッシュコーヒーといえばイブリックを使用するのが王道ですが、イブリックだとガス台にうまく乗らないことが多く、乗っても不安定だったりします。
そこで、家庭で淹れる場合にはミルクパン(牛乳をガス台で温めるための小さな鍋)が安全で非常に使い勝手が良くおすすめです。
豆を焙煎する
コーヒー豆はイタリアンローストなどの極深煎りのものを使用します。
美味しいターキッシュコーヒーを淹れるためには、この豆の品質が非常に重要です。
焙煎して日が経ち酸化している豆は避け、新鮮な豆を使用しましょう。
コーヒー豆は挽いた瞬間に香りが半分飛んでしまうと言われていますので、本当に淹れる直前に挽くようにします。
コーヒー豆の挽き具合は極細挽きで、ほぼパウダー状です。
エスプレッソ用のミルだと簡単にできますが、普通のカッター式電動ミルでも大丈夫です。
いつもより長めに回して細かくしますが、メーカー指定の連続使用時間を超えないように注意しましょう。
材料を入れる
ミルクパンなどの小鍋に、極細挽きにした深煎りコーヒーの粉と砂糖と水を、淹れる杯数に応じて投入します。
お好みで、シナモンやカルダモンを入れて香りを付けることもできます。
また、砂糖を全く入れずにブラックに作っても美味しいです。
塩は少しであっても入れないほうが良いです。材料をすべて入れたら軽く混ぜ合わせておきます。
煮る
弱火で、時々静かにかき混ぜながら焦げ付かないように煮ていきます。
冷たいうちは中火から始めても大丈夫ですが、焦げ付かせてしまわないように注意し、温度が上がってきたら弱火にします。
ふつふつと泡立ってきたら、鍋を持ち上げ火から離し、収まったらまた火にかけます。
これを3回繰り返して火を止めます。
あっさりした味わいが好みの場合は、繰り返す回数を減らすとよいでしょう。
静かに待って完成
火を止めたらそのまま2分ほど待ちます。
この間にコーヒーの粉が鍋の底に沈みます。
すぐにカップに注いでしまうとコーヒーの粉もカップにたくさん入ってしまいます。
カップに注いでからコーヒー粉が沈むまで待つ方法もありますが、待ってから注いだ方がスマートです。
カップに注ぐ時に茶こしなどを使うのもひとつの方法です。
コーヒーの粉を口にしても全く問題はありませんが、飲み口が微妙な感じになります。
2分が経過したら、鍋の底に沈んだコーヒーの粉をカップに入れないよう静かにデミタスカップに注いで完成です。
ターキッシュコーヒーにミルクを入れたい場合は、カップに注いだ後に温めたミルクをその上に静かに注いでください。
カプチーノに似た味わいで、美味しくいただけます。
こちらはKAZUMAXさんのユーチューブ動画
コーヒー占い
ターキッシュコーヒーの本場トルコでは、コーヒーを飲み終わった後に占いをすることがあるようです。
飲み終えたカップにソーサーをかぶせひっくり返します。
カップが冷めたら元に戻し、ソーサーに落ちたコーヒーの粉の様子を見ます。
鳥の形だと心配事がなくなるとか、魚だと幸運に恵まれるとか、いろいろな解釈が存在しているようです。
まとめ
ターキッシュコーヒーは、コーヒーの原点とも言われています。
淹れ方も簡単で、特殊な道具がなくても手軽に飲むことができますし、濃厚でコクのあるその味わいには大きな魅力があります。
一度飲んだらやみつきになってしまうかもしれません。