こんにゃくを使ったダイエットが流行して長らく時がたちましたが、こんにゃくってどういうものなのか?なぜヘルシーなのかを知る方は少ないと思います。
こんにゃくについて
こんにゃくはこんにゃく芋というサトイモ科の植物の球根からできています。
このこんにゃく芋の原産地はインドシナ半島といわれており、インドシナではこんにゃく芋の形状から「象の足」ともいわれているそうです。
こんにゃく芋には130種類もの品種があるそうですが、そのすべてのこんにゃくにできるわけではありません。こんにゃくは、こんにゃくマンナンという食物繊維の働きで固まる性質があるので、このこんにゃくマンナンを含まないこんにゃく芋は、天然の製法ではこんにゃくをつくれません。
こんにゃくの種類と特徴
板こんにゃく
こんにゃくを固めるときに板で成形したものです。いわゆる料理に使う一般的なこんにゃくのことです。料理にあったさまざまな切り方で使えます。
玉こんにゃく
型を使って成形しないで、手で丸めたままの形で茹でて出来上がったこんにゃくです。これは丸い形を利用してそのまま煮物やおでんに加えるといった使い方をします。
つきこんにゃく
板こんにゃくをところてんのように押し出したものです。こんにゃく独特の食感を残しつつ、細いので味が早くなじみやすいという利点があるので炒め物に使われることが多いです。
さしみこんにゃく
そのまま食べられるよう工夫されたこんにゃくで、他のこんにゃくよりも水分を多くしています。
糸こんにゃく
こんにゃくが固まる前の糊状のときに細い穴に通しながら茹でることで糸のように細いこんにゃくができます。関西では「糸こんにゃく」関東では「しらたき」という名称で通っています。
粒こんにゃく
米粒大の粒状に加工したこんにゃくです。デザートやお菓子などに使うことが多いようです。
こんにゃくの作り方と色
こんにゃく芋は、強烈なエグミがあるので他の芋のようにそのままゆでたり焼くだけでは食べられません。
そのエグミの正体はシュウ酸やフェノール誘導体などですが、このエグミを取り除くために必要なのが灰汁です。
灰汁は、草木灰が使われていましたが、最近では消石灰(水酸化カルシウム)や炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)を使い、この灰汁によってこんにゃくに含まれるマンナンという食物繊維がこんにゃくを固める働きをします。固めたこんにゃくは、1時間ほど煮てから十分に水にさらします。
昔は、こんにゃく芋を生芋のまますりおろしたものを使う作り方が主流でしたが、こんにゃく芋は腐りやすかったため、こんにゃく芋が収穫される秋限定の食べ物でした。
そこで1700年代にこんにゃく芋を薄く切り、乾燥させて粉状にした精粉(せいこ)にして保存し、一年中こんにゃくをつくれる作り方が発見されました。
こんにゃくは、大きくわけて黒いこんにゃくと白いこんにゃくがあるのはご存知ですよね。
生芋を使った昔の作り方の場合、芋の皮が入ってしまうので黒っぽくなりますが、現在のように精粉を使った作り方では白いこんにゃくになります。
しかし、昔からの作り方の黒いこんにゃくを見慣れている関西方面では白いこんにゃくが好まれなかったため、生芋から作るこんにゃくに似せるよう「アラメ」「ヒジキ」「カジメ」などの海藻の粉末で黒い色をつけたのが、黒いつぶとなって現れています。
あの黒いつぶは海藻の粉末だったんですね。
もともとこんにゃくを作っていた関西方面では黒いこんにゃくが好まれ、精粉を使った作り方が取り入れられてから作り始めた東北や北海道では白いこんにゃくが好まれるわけです。